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    aruteamoon

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    aruteamoon

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    case669

    MEMO発掘した四章後の平和なカリジャミどんどんがちゃ。
    「カリム、朝!」
    ばたん。

    「ふぇ……?」
    騒々しさに目を覚ましたカリムが漸く扉を見る頃には既に声の主はおらず、まるでずっと閉じられていたかのように静かな扉がそこにあった。
    ふあと込み上げる欠伸を零しながらのそのそと身を起こす。以前ならば気付かぬうちにカリムの部屋に訪れ、そっと優しく揺り起こしてくれたジャミルはもう居ない。あと五分、なんて甘えれば仕方ないなと溜息一つで待ってくれたジャミルも、今にも眠気に引き摺られそうに船を漕ぐカリムを着せ替え人形のように身を委ねているだけで着替えまでさせてくれるジャミルも、熱々の目覚めのチャイを用意してくれるジャミルも居ない。
    けれどそれが悲しいとは思わなかった。むしろ嫌いだと言いながらもなんだかんだこうして最低限の世話を焼いてくれるジャミルは優しいなあと頬が緩んでしまう。
    本当はもうひと眠りしたい所だが、起こしてくれるジャミルが居なければきっと朝食も食べ損ねるし学校にも遅刻してしまう。以前、確り寝坊した時、慌てて駆け込んだ学校で見かけたジャミルの「ざまあみろ」と言わんばかりの冷え冷えとした笑顔はもう一度見たい気もするが、それよりも 3005

    case669

    MEMO制服
    カリジャミ
    スリムなラインのシャツとジャケット。今まで風通しの良い服に慣れてきた身には張り付くような布の不快感が付きまとう。おまけに首を締めるネクタイの息苦しさ。着慣れぬ制服を楽しめたのは初めて袖を通した日だけで、今では朝着替える時に一々溜め息が溢れてしまう。
    「なあ、ジャミル。これ着なくちゃ駄目か?」
    ジャミルよりものびのびと育てられたカリムにはもっと苦痛が大きいのだろう。ベストのボタンを留めていた筈の指先が汚物でも摘まむようにジャケットを持ち上げていた。
    「アジームの跡取りは服もまともに着られないと謗られたくは無いだろう、諦めろ」
    「まともな服なら他にもあるだろ?」
    「入学早々目立つようなことはするなと言ってるんだ」
    「でもジャミルだって困ってるんだろ?」
    「お前一人守るくらいならなんとかなる」
    「ジャミルも無事じゃなきゃ意味が無いって言ってるだろ!」
    不服そうな顔をしてカリムが拗ねるが、正直ただただ面倒臭い。ジャミルはきっちりとネクタイを締めてジャケットのボタンまで留め終えたというのにカリムはまだ中途半端にベストを着る途中だった。
    「とにかく、着替えろ。遅刻するぞ」
    「なあ、この服だと俺が死 1046

    aruteamoon

    DONEキスの日。カリジャミでウブいやつ。
    多分付き合ってないし、夜伽もしてない時空の健全な幼なじみカリジャミ。無事にタイトルつきました(笑)
    口付けに愛は伝う




    その日もいつも通りの晴天で、とくにこれといって風が強そうだという訳でもなく、休日の朝から早めに洗濯物を干そうかと考えながらキッチンに向かう廊下を歩いている時だった。
    後ろから呼び止められる聞き慣れた声に平穏な朝は終わりを告げる。いつもなら起こしに行くまで寝ているくせに、何故休日に限ってこの男は早起きしてくるのか。
    その理由は腕を引きながら連れて行かれた寮長室で、開口一番知らされる。


    「なぁジャミル、今日は何の日か知ってるか?」
    着崩れていた寮長服を整えてやっていると構わずカリムが話しかけてくる。
    無意識に手を動かしながら頭の中で知りうる限りの記念日を検索したが思い当たらず首を捻っていると、カリムが今度はスマホを取り出した。
    「なんだ?なにか大事な事でもあったか?俺が忘れる筈は無いと思うんだが」
    「ああ、オレもジャミルもこう言うのあんまり知らないもんな!オレもこないだケイトに聞いて知ったんだけど…」
    カリムは取り出したスマホをカメラモードに切り替えると、自撮りをするのか並んで此方に画面を向けた。
    「なんだ?撮るなよ」
    「実はケイトに頼まれてる写真があってさー 5320