「お前、ちょっとこっちこい」
グイッと引っ張られて物陰の人の視線が入らないところに立たされる。
「ユーリス?何かあったのか?」
「どうしたもこうしたもねーよ、はぁ〜ここまで拗れるとは流石の俺様も予想つかなかったぜ」
さっきからユーリスの言っていることが理解できない。拗れる?
頭を傾げて理解してないような雰囲気の俺に対し、またユーリスは大きくため息をつく。
「いきなり何の脈絡もなくお前とクロードの不仲説が流れると軍全体の空気も悪くなる」
「不仲って…そこまで悪くないぞ。…ちょっと距離を置いてるだけだ」
「だから、それが良くないんだって。お前そもそもそういう駆け引き自体うまくできないだろ」
自分はクロードに必要以上に近づきすぎているのかもしれない。誰から言われたわけではないが、そう感じて自分が行ったことといえば、クロードと普段一緒にいる時間…例えば遠乗りや食事などそれらを別の予定があるといって断るようにした。
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