Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    cute_camellia

    @cute_camellia

    初老BBAが
    Xには大っぴらに置けないものを
    描いて投げる場所

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 21

    cute_camellia

    ☆quiet follow

    パラレル設定
    バスドライバー🌹×シェフ🌟

    なんやかんやで付き合って暫く経ったあとのシェフ目線独白

    ランチタイムが予想より客足が多く、明日の納品業者を待つにはやや心細い程度に食材を使ったため、他のスタッフに厨房を任せて不足したものを買いに出た。
    アイドルタイムのため、少しの間私が居なくても平気だろう。
    これだけあれば充分という量を揃え、買い物袋を抱えてグロサリーを後にする。

    そういえば、お店をオープンした当初。
    今日と同じように買い出しに出て道に迷い、そこで親切な方に助けて貰ったことを思い出す。
    まさかその時は、その方…彼と。
    親密な関係、所謂“恋人”になるだなんて思いもしなかったから。
    月並みな言葉だけど、人生何が起こるかわからない、ということを肌で感じる。

    とはいえ、このところ生活リズムが合わなくて、しばらくの間顔はおろか声さえ聞けない日々が続いていた。
    彼はバスの運転手で、仕事の時間帯は不規則だ。今週はナイトバス担当だと零していた。
    一方私は私で、料理長という立場上おいそれと休みをとる訳にはいかない。
    メッセージアプリでのやりとりはしているけれど。
    寂しくないといえば、嘘になる。

    昨夜のメッセージでは、今日は夜勤明けで、昼過ぎまで寝るつもりだと言っていた。
    この荷物を置いて一段落したら、私からメッセージを送ってみよう。
    『我儘かもしれないけれど、明日会いたいです』と。
    明日は納品分のチェックをしたらそれ以降の予定は無い。
    今日はとりあえず疲れた体を休めてもらって、明日は一緒に過ごせたらいいな。
    勿論彼の体調などが大丈夫であればの話だけれど……。
    そんなことを夢想して心が躍るのは。
    「シェフ以前に、私も普通の女性だったということなのね」
    面映ゆい気持ちで独りごちて、帰路に着く。
    くすんで見えていたストリートが、微かに色付いたような気がした。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💜💜💜💜💜💜💜💜💜💜🌹💖🙏💖💫🌹💜💕💕🌹🌹🌠🌠
    Let's send reactions!
    Replies from the creator