Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    流菜🍇🐥

    @runayuzunigou

    文章や絵を投げます

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💕 🍇 🐥 🍣
    POIPOI 421

    流菜🍇🐥

    ☆quiet follow

    TF主ルチ。人間用首輪のツイートを共有されたので書きました。ルチに首輪をつけられたい。

    ##TF主ルチ

    首輪「君に、渡したいものがあるんだ」
     リビングに姿を現すと、ルチアーノは挨拶もせずにそう言った。声は楽しげに弾んでいて、口元がにやにやと歪んでいる。何かよからぬことを企んでいるのは確かだろう。
    「おかえり。なんか嫌な予感がするんだけど、受け取らないとダメ?」
     率直に言葉を返すと、ルチアーノは機嫌を損ねた様子で眉を動かした。頬も緩やかに膨らんで、いかにも怒った子供という表情になる。短時間で笑ったり怒ったりと、表情筋が忙しそうだ。
    「僕がプレゼントをやるって言ってるのに、拒否するつもりかい? 君は、いつからそんな恩知らずになったのかな?」
    「プレゼントをもらえることは嬉しいよ。ルチアーノが僕のために選んでくれたものだから。でも、今回は何かを企んでるんでしょう? だったら、ちょっとお断りしたいかな」
     丁寧に説明するが、彼の表情は戻らない。ここだけ見ると僕が意地悪を言ってるみたいだけど、本当はそうではない。彼がプレゼントを用意しているときは、ほとんどがよからぬことを企んでいるのだ。
    「恋人を疑うなんて、君は他人を信用しないやつなんだな。まあ、君に拒否権はないから関係ないけどね」
     未だに頬を膨らませながら、ルチアーノは何かを僕に押し付ける。黒いビニール袋に入った、ごつごつとした物体だった。明らかにプレゼントという感じではない佇まいに、自分の感が当たっていることを知る。
    「分かったよ。変なものじゃなければいいんだけど……」
     口の中で呟きながら、僕は袋のビニールを開ける。我ながら失礼だとも思ったが、ルチアーノは怒ったりしなかった。
     袋の中身を見て、僕は絶句してしまった。明らかに人間に使うアイテムではないものが、そこには詰められていたのである。声を発するまでに、数秒ほど時間がかかってしまった。
    「え?」
    「それこそが、僕からのプレゼントだよ。気に入ってくれたかい?」
     ルチアーノの弾んだ声が、真っ直ぐに耳の奥へと入ってくる。僕が言葉を失うほどに動揺したことが、彼にとっては嬉しかったらしい。
     袋の中に入っていたのは、黒い首輪だった。飼い犬や飼い猫の首につける、あの首輪である。とは言っても、人工の革で作られた表面は艶々しているし、ベルトのようなデザインもチョーカーのようにおしゃれだ。それなのに首輪だと分かるのは、それがリードに繋がれているからだ。
    「これって、首輪、だよね……?」
     恐る恐る尋ねると、ルチアーノはきひひと甲高い声を上げた。何を当たり前のことを言ってるのかとでも言わんばかりに、呆れ顔で僕を見上げる。
    「どう見ても首輪だろ。君に似合うと思って買ってきたんだ。ちゃんと人間用のやつだから、安心していいぜ」
     甲高く弾んだ声で、ルチアーノは言葉を続ける。人間用の首輪があることは知っていたが、実物を見ることになるとは思わなかった。以前の贈り物はチョーカーだったのだけど、それだけでは物足りなくなったのだろう。
    「なんで、こんなものを……」
     反射的に呟いてしまったが、理由は分かりきっていた。ルチアーノが首輪を贈ってくるなんて、僕につけるために決まっている。
    「もちろん、君につけるためだよ。君は、僕の所有物なんだから」
    「所有物って、ペットじゃないんだから……」
    「僕は神の代行者なんだから、人間はペットみたいなもんだぜ。ほら、早速つけてみなよ」
     相変わらず滅茶苦茶な理論を展開させながら、彼は僕に首輪を押し付ける。こうなったら、僕が身につけるまで許してはくれないだろう。口から溢れそうになるため息を飲み込んで、恐る恐るそれを手に取る。
     首輪は、想像よりも重かった。人工とはいえ革で作られているから、それなりにしっかりした作りをしている。表面がコーディングされているのは、汚れを落としやすいからだろう。黒い袋に入っていたことを考えると、アダルトグッズとして販売されているものなのかもしれない。
     緊張に震える手を押さえつけながら、僕は首輪を上へと上げた。首の周りに巻き付けると、ベルトの要領で金具を穴に通す。しっかりと固定すると、ルチアーノに向き直った。
    「つけたよ」
     一言だけ告げると、ルチアーノは満足そうに笑った。
    「よく似合ってるぜ。こっちに来な」
     命令するように言われ、仕方なく歩み寄った。僕の身体が揺れる度に、正面に取り付けられた鈴がチリチリと鳴る。鈴を鳴らしながら歩くなんて、犬というより猫のようだ。そんなことを考えていると、ルチアーノは楽しそうに言った。
    「今、自分が猫になったみたいだって思っただろ? 本物の猫はな、鈴を鳴らしながら歩いたりしないんだぜ。もっと器用に、音を出さないように歩くんだ」
     心を読んだような発言に、僕は心臓が止まりそうになる。僕の考えそうなことだと思ったのだろうが、それにしてもタイミングがいい。黙ったままソファの前に立つと、彼は僕の手を引いて隣に座らせた。
    「ひひっ。いい子だな。ご褒美に、君の身体を撫でてやるぜ」
     ルチアーノの小さな手が、僕の服の上を滑っていく。犬猫を触るように乱雑な、わしゃわしゃとした触り方だ。羞恥心を圧し殺していると、今度は仰向けに転がされた。
    「ほら、よしよし」
     ペットをあやすような声を上げながら、僕のお腹を撫でていく。恥ずかしいのに心地よくて、身体に熱が籠る感覚がした。
    「ルチアーノ」
    「なんだよ」
    「恥ずかしいんだけど」
     抗議の声を上げると、彼は楽しそうに笑い声を上げる。にやにやとしながら僕を見下ろした。
    「当たり前だろ。これは辱しめなんだから」
     その後も、僕は気が済むまでルチアーノに身体を撫でられた。恥ずかしくて仕方ないのに、身体は高ぶって熱を持つ。下半身がドクドクと音を立てて、直視されるのが恥ずかしかった。黙って唇を噛みながら、羞恥心に耐え続ける。
     僕を解放すると、ルチアーノはリードの先に手を伸ばした。これはペット用の首輪を模しているから、そこにあるのはもちろん持ち手である。左手で持ち手を握りしめると、彼は何事もない様子で言った。
    「なあ、せっかくだから、このまま散歩でもしないか?」
    「絶対に嫌だからね!」
     口から飛び出したとんでもない提案を、僕は間髪いれずに否定した。小学生の男の子とSMプレイをする大人なんて、セキュリティに見つかったら職質どころでは済まされない。そうじゃなくても、近所の人に根も葉もない噂を立てられてしまうだろう。そうなれば、僕の人生はおしまいだ。
    「なんだよ。つまんねーの」
     落胆したといった様子で、ルチアーノは言葉を吐く。彼はけろっとした顔をしているが、僕にとっては一大事だった。何しろ、人生がかかってるのだから。
    「まあ、いいか。君には、また首輪で遊んでもらうからさ」
     にやにやと笑いながら、ルチアーノは持ち手から手を離す。首輪で遊んでいるのは、僕じゃなくてルチアーノの方じゃないか。そんな言葉が脳裏をよぎったけど、口に出すことはできなかった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖💖💖💞💞🙏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works