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    流菜🍇🐥

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    TF主ルチ。以前に書いた体操服ネタの続きのようなものです。ルチの腹チラが見たいという願望が詰まってます。

    ##TF主ルチ

    体操服 その2 噴水広場は、今日も人で溢れていた。平日の昼間だというのに、周囲は話し声でざわめいている。休日になるともっと人が溢れるのだから、待ち合わせとは大変だ。正面のベンチの近くに佇むと、僕は目的の人物を待った。
     待ち合わせの相手は、当然のようにルチアーノだった。町に知り合いはたくさんいるが、待ち合わせをするほどの仲となると、ポッポタイムの住人とルチアーノくらいしかいないのである。最近は遊星たちも忙しそうにしてるから、ほとんど会う機会もなかった。
     大通りを眺めながら、僕は大きく深呼吸をする。本来なら、ルチアーノは待ち合わせなど必要としないのだ。彼には僕の居場所が筒抜けだし、ワープ機能でどこにでも飛んでいける。わざわざ待ち合わせを要求するときは、必ず何かを企んでいた。
     彼は、いったい何を考えているのだろうか。これから起きることに意識を向けて、無意識に居ずまいを正してしまう。痛いことや傷つくことじゃなければいいのだけど。そんなことを考えているうちに、斜め後ろから声をかけられた。
    「やあ、待ったかい?」
     予想外の至近距離に、僕はびっくりしてしまった。小さく肩を震わせる僕を見て、ルチアーノは楽しそう笑い声を上げる。耳を貫くような笑い声は、からかうときの声色そのものだ。小言を言おうと振り返って、僕は言葉を失った。
    「えっ……!?」
     彼は、見慣れない服に身を包んでいたのだ。上に着ているのは真っ白な半袖で、下は紺色のショートパンツだ。パンツの横には、見慣れた二本のラインが入っている。どちらもストレッチ性の高い素材のようで、ゆったりとしたサイズだった。髪はいつもよりも暗いブラウンレッドに染められていて、左で三つ編みに結んでいる。
    「どうしたんだよ。そんな変な声を出して」
     僕の反応を見て、ルチアーノはにやにやと笑う。声を上げるほどに驚いたことが、楽しくて仕方ないらしい。
    「ルチアーノ、その服って……」
     なんとか質問を口にすると、彼はきひひと声を上げた。自分の身を包む衣服に視線を向けると、からかうような声色で言う。
    「何って、体操服だよ。君が着てこいって言ったんだろ」
     そう。彼が身に纏っていたのは、小学生が着るような体操服だったのだ。オーソドックスな形のものだから、僕が子供の頃に着ていたものと見た目はほとんど変わらない。漫画やアニメでは胸元に名前のゼッケンが縫い付けられているが、そんなものは僕でさえつけたことがなかった。さすがに、ルチアーノもそこまではしなかったようだ。
     それにしても、本当にびっくりした。僕が体操服を勧めたとき、ルチアーノは機嫌を損ねて帰ってしまったのだ。僕が龍亞と話をしていたこともあったのだろうけど、体操服そのものを嫌がっていたことは確かだ。
     黙ったまま立ち尽くす僕を見て、彼は不満そうに鼻を鳴らした。唇を尖らせると、あからさまに声のトーンを落とす。
    「なんだよ。なんか言えよ」
    「びっくりしたよ。だって、ルチアーノは体操服なんて嫌そうだったから」
     素直に答えると、彼は不満そうに息を吐いた。強引に僕の手を握ると、そそくさと歩き出す。
    「まあ、好んで着るようなもんじゃないな。……ほら、とっとと行くぞ」
     どうやら、機嫌を損ねてしまったらしい。さっきまでは上機嫌だったのに、感情の変化が急な子供だった。

     わざわざ待ち合わせをしていたものの、今日の予定は普通の練習だった。練習試合の約束を取り付けたチームと、タッグデュエルの模擬戦をするだけである。とはいえ、体操服姿の子供がやってきたら、さすがに相手はびっくりする。本当に約束をしたチームなのかと確認を取られてしまったくらいだ。
     こうなると、僕は気が気ではなかった。今日の僕は、端から見たら体操服姿の小学生をパートナーとして連れ歩いている大人なのだ。どう見たって怪しいし、危ない人だと思われてもおかしくはない。不安になって、周囲の反応を窺ってしまった。
     しかし、もっと大変なのはデュエルだった。体操服を着ているからか、今日のルチアーノはいつもより派手に動き回ったのだ。大きな動きでカードを操り、相手を煽るように言葉を吐く。それだけならいつもと同じなのだが、彼は服の下に爆弾を隠していたのだ。
     彼は、肌着を着ていなかった。晒された素肌の上に、直接体操服を着ているのである。腕を振り上げる度に裾が上がり、チラチラと白いお腹が見えた。風を受けて服が捲れ上がると、それはお臍が見えるまでに広がってしまう。その光景が一番よく見えるのは、隣にいる僕なのだ。
     僕は、心配になってしまった。ルチアーノは子供の姿をしているが、身体の造りは大人のそれに近いのである。手足はすらりと長いし、平らなお腹にはしなやかな筋肉がついている。カードを扱う仕草や、戦略を示す発言だって、外見通りの年齢とは思えないほどに聡明だ。子供らしくないと言うことは、その分大人の色気があるということである。
     そんな姿を見せつけられるのだから、僕は気が気ではない。対戦相手からも、彼の裾から覗く素肌は見えているだろう。恋人の肌を見られるのは、あまりいい気分ではないのだ。彼の魅力に気づいてしまうんじゃないかと、心配で仕方なかった。
     心が乱れてしまうと、その影響は確実にデュエルに現れる。今日の僕は、いつもならしないようなミスを連発してしまった。ルチアーノのことばかり見ているのだ。目の前の展開には集中できないし、反応も遅くなってしまう。なんとか勝利を納めたものの、ライフポイントはギリギリになってしまった。
    「おい、やる気あるのかよ。さっきから、僕のことばかり見てただろ」
     デュエルが終わると、ルチアーノはそう言って僕に詰め寄った。明らかに頬を膨らませているし、眉毛は斜め上につり上がっている。どこからどう見ても不機嫌だった。
    「それは、ルチアーノが無防備すぎるからでしょ。心配で集中できなかったんだよ」
     僕が反論すると、彼は余計に怒りを露にする。あれだけ肌を見せておいて、危機感は一切ないようだ。僕に顔を近づけると、鋭い声で言葉を続ける。
    「はあ? 君は、いったい何を言ってるんだよ。言い訳は後にしな」
     何一つ伝わっていなかった。そこまで無頓着だと、逆に心配になってしまう。彼の手首を掴むと、人混みから離れるように歩き出した。
    「言い訳じゃないよ。ちょっと、こっち来て」
    「おい、まだ話は終わってないぞ!」
     文句を言いながらも、彼は大人しくついてきてくれた。人の少ない通りを抜けると、ビルとビルの隙間に入っていく。光の差し込まない路地裏は、真っ昼間だというのに薄暗かった。
    「なんのつもりだよ。こんなところに連れてきて」
     僕が手を離すと、ルチアーノが警戒したように声を発した。少し後ずさりすると、冷たい瞳で僕を見る。どうやって伝えるかを考えながらも、僕はたどたどしく口を開いた。
    「あのさ、体操服の下って、何も着てないよね?」
    「はあ?」
     案の定、彼は何も分かっていないみたいだった。怪訝そうに眉を動かすと、呆れたような顔で僕を見る。
    「だから、体操服の下に、肌着とか着てないよね? デュエルの間中、ずっと見えてたよ」
     言葉を重ねると、ようやく彼にも伝わったようだった。納得したような顔をすると、上衣の裾を摘まんで持ち上げる。
    「ああ、これか」
     唐突に見せられた無防備な仕草に、僕は心臓が止まりそうになった。上衣は大胆に上へと持ち上げられて、真っ白な肌と綺麗なお臍が見えている。普段なら夜しか見ないような光景は、僕を大いに動揺させた。
    「ダメだよ! 早く隠して!」
     ルチアーノの服に手を伸ばすと、慌てて露出した肌を隠す。僕のあからさまな慌てっぷりを見て、彼はケラケラと笑った。
    「何をそんなに慌ててるんだよ。子供の腹なんか見たって、真っ当なやつは何とも思わないんだろ」
    「そうなんだけど、全員が真っ当とは限らないんだよ! ルチアーノは大人っぽいし、そういう風に見られるかもしれないでしょ!」
     さらに言葉を重ねると、ルチアーノはきひひと甲高い声を上る。大きく息を吸い込んでから、意地悪に目元を細めた。
    「過保護だなぁ。君だって、子供の頃は腹くらい丸出しで走り回ってたんだろ。自分のことは棚に上げて、僕のことだけ咎めるのか?」
     彼の言葉を聞いて、僕は一瞬だけ怯んでしまった。彼の言い分も、一理くらいはあるのかもしれない。僕だって、子供の頃は体操服一枚で走り回っていたのだ。でも、僕の子供のような貧相な身体と、ルチアーノの大人びた身体では、大人からの視線に天と地ほどの違いがある。
    「これは、発育の問題なの。ルチアーノは大人の身体でもあるんだから、隠さないとダメなんだよ」
    「分かったよ。全く、過保護なパートナーを持つと苦労するぜ」
     苦し紛れに言葉を重ねると、意外にも素直に言葉を引っ込めてくれた。ぶつぶつと呟きながら、ルチアーノは僕に背を向ける。話は終わったとでも言いたげな、強引な態度だった。路地を抜けようと歩を進めて、不意にこちらを振り返る。
    「最後に、ひとつだけ聞いていいか?」
    「何?」
    「本当は、僕の肌を他のやつに見せたくないんだろ」
     そう問いかけるルチアーノは、意地悪な笑みを浮かべていた。意地でも僕にうんと言わせたいという気迫が、その瞳からは伝わってくる。仕方なく、僕はその言葉を認めた。
    「…………そうだよ」
     ルチアーノの表情が、満足そうな笑みを浮かべる。再び背を向けると、大通りを目指して歩き始めた。その足取りは、さっきとはうって変わって軽快だ。彼が上機嫌になったことだけが、その後ろ姿から伝わってきた。
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