ロウおじいちゃん短歌+チラ裏城頭も遮るものも居なければ夢後の城に月影は照る
日辺より来る孤帆は丈夫なり星火燎原の証を燃やす
まれびとのない節奇蹟は起こらずも帰る春花を幾度見ようと
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おまけのチラ裏
ロウおじいちゃん、望郷の歌が似合いすぎて駄目
望郷が好きなのは小学生の頃時オカ3Dと時の勇者にハマってからずっとなんですけど、その中でもロウの生きる軸が刺さるしあんなに優しい笑い顔ができる人なのがとても好きです。寝酒しながら故郷の風をふっと思い出してほしい。前提として忘れられるはずもない国だけど、それが脳裏に過ぎる瞬間は静かで穏やかな時だと良いし思い返すなら幸せの記憶であるといい。……と一プレイヤーは思いますけど、心が強くてギリギリまで足掻けて責任感もある賢い人なので全部背負い込むんだろうな。年長者なのもあってどうしようもない事は諦められる強さを持つけど、それでも思う事を止められない人だろう
⬇️こっちは解説…というより製作中メモに追記したもの。元ネタ(オマージュ元)と意味がぼんやり載ります
(漢詩から句を引きはしたけど元の詩と内容が異なる。本歌取りと一緒)
・年若いブンカミュセニャの短歌は現代短歌ぽさ重視したけど、受けた教育のレベルが仲間内で恐らく1番かつおじいちゃんなので全体的に印象硬めです。
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〇城頭も遮るものも居なければ夢後の城に月影は照る
→「聴角思帰」の二句目より。「夢後」って単語好き。
城頭=城壁。居=いる、いない、の「い」と住処の「きょ」を重ねる。誰一人として居なくなった城下のイメージ。
夢後=ぼうご。夢から覚めた後、人の死んだ後。夢後で「夢の跡」にも読める→夢のように消え失せた場所。
月影=前半で「崩れてしまったから影が少ない」…と言ったけど分かりにくいかと思ったので月影で影と光を入れておいた。若干イメージしやすくできたのでは。
あの頃の夜は人や家、城壁に遮られて影が大きく見えていたはずだが、人が死に、国が夢のように消えてしまった今では、瓦礫の山は月光を小さく隠すだけで、城は煌々と照らされている。
城(じょう)と夢(ぼう)で音を重ねてるのは元ネタから。城夢暁でouが揃ってるから読んだ時気持ちいいよね
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〇日辺より来る孤帆は丈夫なり星火燎原の証を燃やす
→「望天門山」から。水(川かな?)を流れて生き延びたイレブンが仲間引き連れて海を伝って帰ってきたので船のイメージだな〜って思って引いた。行先はイレブンに拠るから帆を張るのは一人かな…で「孤帆」が使われてる詩を引きたかった。貴種流離譚と船のイメージが強い。
遠い天の彼方よりここに来たと思われる一艘の白帆は、確かに、一人前の立派な男子に見える。今は小さな力でも、その強さと堅実さでもっていつか悪を焼き尽くすはずだ。その手の甲の勇者たる証は星の光に似た火なのだと思う。
日辺=にっぺん。太陽のあたり、遠い場所、天の彼方を表す。大樹に選ばれて勇者として産まれてるので「天の彼方」より。また太陽の国といえばデルカダールなので本当に太陽のあたりから来てる。勇者さまこの句とシナジーすごくないか?デッキ組む?
丈夫=じょうぶ、じょうふ、どちらにも。ますらおを使うにはまだ幼さあるな…と思うから読みは二通りで。
日ー星、孤帆(海、単、水(木))ー燎原(陸、複、火)でぼんやり対応関係を作る。
ここまで書いておいてなんだけど、支部に乗っけた主ミュの文字と星火燎原+帆でネタ被りしてることに気付いた。今?
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〇まれびとのない節奇蹟は起こらずも帰る春花を幾度見ようと
「新年作」の「旅人たる自分の先を越して春は帰ってきて」って表現が好きなのと、折角再会できたのにおじいちゃんは孫のいない春に置いて行かれ続けることになるんだ…っていうので。
まれびと=別の世界から訪れるものから連想して時の旅人。節=下に「帰る春花」があるからこの節は冬-春の節。節句の節、季節の変わり目。
時の旅人の帰りを待つ自分を差し置いて、冬が終わりまた春は帰ってきてしまった。それでもこれまでの経験が起こらない奇跡を求めてしまう。何度春の花を見ることになろうと。
民俗学の人に申し訳ないので言い訳をします。折口学だ〜いすきなのに中途半端に言葉使ってごめん〜〜!
「「とこよ」と「まれびと」と」の、「(大空から)或は海のあなたから、ある村に限つて富みと齢とその他若干の幸福とを齎して来る」「海のあなたの「死の島」の概念」あたりを拾ってつまり時渡前→時渡後…とか連想してる頭のおかしいアカウントなので……。(元々主カミュで「まれびと」入れようと思ってたけどこの語使うか……??になり没にしてた!から、ここでリベンジできてうれしい)