メッセージカード「今日は、君に渡したいものがあるんだ」
ある日の夜、片付けを終えた僕がソファに座っていると、不意にルチアーノがそう言った。僕のすぐ隣に歩み寄ると、洋服のポケットに手を突っ込む。淡い光がポケットを包み込んだかと思うと、中からは包装紙に包まれた箱が飛び出してきた。両手でその箱を抱えると、彼は見せつけるようにこちらへと差し出す。
「ほら、僕からのプレゼントだぜ」
「……ありがとう」
少し戸惑いを感じながらも、僕は差し出された包みを受け取った。箱そのものは僕の両手からはみ出すくらいに大きいが、重みはそこまで感じられなかった。中身は緩衝材が詰まっているか、そこまでの重みを持たないものなのだろう。それにしても、彼がプレゼントを渡してくるなんて、雪でも降りそうな気分になってしまったんだ。
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