約束 お風呂を済ませ、簡単に身支度を整えると、僕は真っ直ぐに自室へと向かった。用意していたペットボトルで水分補給を済ませると、すぐにベッドの上に寝転がる。マットレスのスプリングが大きく揺れて、隣にいた男の子の身体が大きく傾いた。不満そうな鼻息が聞こえてくるけれど、気にせずに両腕を上に伸ばした。
「何するんだよ」
横になったまま身体を伸ばす僕を見て、ルチアーノが尖った声を出す。腕を引っ込めながら視線を向けると、片方しか見えない眉を歪めていた。彼が体勢整えた時に、少しスペースを横取りしたことに気づいたのだろう。横になったまま身体を滑らせると、僕の隣へと身体をくっつけてきた。
「何もしてないよ。疲れてたから、早く横になりたかっただけ」
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