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    流菜🍇🐥

    @runayuzunigou

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    TF主ルチ。彼シャツネタは書いてない気がしたので書きました。ルチが着るとTF主くんの服はぶかぶかになると思う。

    ##TF主ルチ

    彼シャツ ソファに座っていると、給湯器が警戒な音を立てた。僕にとっては聞き慣れたこのメロディは、お風呂のお湯が張られた合図だ。隣に座る男の子に視線を向けると、緊張を隠すように声をかける。
    「お風呂入ったよ」
    「みたいだな。さすがに覚えたぜ」
     からかうような声で返してから、彼はゆっくりと立ち上がる。こうして家を訪れるようになってしばらく経つが、僕は未だに一緒に過ごす時間に慣れることができない。変に緊張してしまうし、挙動不審になってしまうのだ。
     ルチアーノは余裕綽々なのに、僕だけが気にしているなんて少し恥ずかしい。彼は小学生くらいの男の子の姿をしていて、人格も僕より幼いのだ。端から見たら、僕が子供に翻弄されているように見えるだろう。
     そんなことを考えていたら、背後から足音が聞こえてきた。浴室に向かったはずのルチアーノが、リビングへと戻ってきたのだ。後ろを振り返ると、彼は淡々と声を上げた。
    「なあ。僕の着替え知らないか?」
    「え? 着替えなら、タンスの引き出しに入ってるはずだけど……」
    「開けたけど、無かったんだよ。君のことだから、どこかに置き忘れたんじゃないのか?」
     相変わらず辛辣な言葉だった。それにしても、着替えが無いとはどういうことだろう。僕は洗濯物だけはちゃんとしているから、置き忘れたりはしていないはずだけど。
    「あ……」
     考えを巡らせて、不意にあることに気がついた。ここ最近は、毎日雨続きだったのだ。わざわざ部屋干しするのも大変だし、洗濯物を貯めていたのである
    「なんだよ。何か思い出したのか?」
    「もしかしたら、洗濯カゴに入ってるかも。雨だから、洗濯してなかったんだ」
     僕の言葉を聞いて、ルチアーノが眉を寄せた。呆れたような表情を浮かべて、冷淡に僕を見下ろす。
    「つまり、洗い忘れってことか?」
    「違うよ! あえて洗わなかったの!」
     答えながらも、僕はソファから立ち上がった。このままだと、ルチアーノの着る服がなくなってしまう。自分の部屋へと移動すると、引き出しを開けて中を探った。
    「今日は、代わりにこれを着てもらえないかな」
     そう言って差し出したのは、パーカーとジャージの下だった。丈は長いだろうが、無いよりはましである。
    「なんで僕がこんなものを着なきゃならないんだよ。全く」
     不満そうに呟きながらも、彼は浴室へと向かっていく。その後ろ姿を見ながら、少し申し訳なく思った。
     こんなにも一緒にいてくれるなら、洗い替えが必要なのかもしれない。下着を余分に買っていたことだけが救いだった。

     しばらくすると、ルチアーノが部屋へと戻ってきた。不満そうに頬を膨らましてはいるが、僕の渡したパーカーを着てくれている。丈が長いパーカーだったから、膝辺りまで隠れているようだ。裾から覗いている足は、なんと生足だった。
    「ズボンは履かなかったの?」
     尋ねると、彼は僕を見上げた。湯船で上気した頬が、ほんのりと赤く染まっている。りんごのように膨らませると、尖った声で言い放つ。
    「裾を引き摺って歩きづらいんだよ。サイズが合わないからな」
     僕の服を渡されたことが、相当気に入らなかったようである。ただでさえ体格差を気にしているから、差を見せつけられて悔しいのだろう。
    「ごめんね。今度、洗い替えを買ってくるから。今日はそれで我慢して」
    「僕に自分の服を着せたくて、わざと買わなかったんじゃないのか? ずいぶんな悪巧みだな」
    「違うよ!」
     あらぬ誤解を突きつけられて、僕は慌てて否定する。結果的にそうなってしまったが、狙っていたわけではないのだ。明日にも着替えを買いにいかねばと考える。
    「じゃあ、僕はお風呂に入ってくるから、好きなところで待っててね」
     話を切るように告げると、そそくさと風呂場に向かう。これ以上追求されたら、ちゃんと答えられる自信がなかったのだ。

     お風呂から上がると、今度は僕の部屋へと向かった。ここは寝室も兼ねているから、身の回りのことを済ませた後は、こっちに移動するのが習慣になっていたのだ。一人で眠るには大きいけど、二人で眠るには小さいベッドは、僕たちの距離を縮めてくれる。僕にとって、それは密かな楽しみの時間だった。
     入り口の扉を潜り、ベッドの上を見た瞬間、僕は絶句してしまった。パーカー一枚だけを身に纏ったルチアーノが、ベッドの上で胡座をかいていたのだ。無防備に開かれた裾からは足が露出し、下着が見えてしまっていた。
    「ルチアーノ!」
     慌てて視線を逸らしながら、僕は声を上げる。ゲーム機に夢中になっていた彼は、面倒臭そうに顔を上げた。
    「なんだよ。急に叫んだりしてさ」
    「足……! 閉じないと、パンツが見えてるよ!」
     慌てすぎて、子供のような言い方になってしまう。ただでさえ色っぽい格好をしてるのに、下着まで晒しているなんて、無防備にもほどがある。手に持っていたタオルを被せて、なんとか露出した足を隠した。
    「足が見えてるくらい、なんてこと無いだろ。それとも、君は機械の足に欲情するような人間なのかい?」
    「そういうことじゃないんだよ。足だけじゃなくて、下着が見えてるの。下着は、ちゃんと隠しておかないといけないんだよ」
     なんとか理解して貰おうとするが、彼には伝わらない。機械であるルチアーノは、人間の感性や常識に疎いのだ。よく分からないといった顔で僕を見ている。
    「とりあえず、下を着て! ほら!」
     急いでズボンを取り出すと、彼の方へ投げ捨てる。長ズボンは気に入らなかったようだから、さっきよりも丈が短いものを選んだ。
    「分かったよ。着ればいいんだろ。全く、人間ってのは面倒臭いな」
     今度はそこまで抵抗は無いようで、大人しく着てくれた。ホッと息をついて、彼の姿をじっと見つめる。
     小柄なルチアーノが着ると、僕のパーカーはかなりぶかぶかだった。首回りからは肩が出そうになっているし、胴回りも体型が分からないくらい余っている。下のズボンが短いから、丈の長さはスカートのようだった。髪が後ろに流されていることもあって、いつもよりも女の子のように見える。
     僕は唾を飲み込んだ。僕の服を着たルチアーノの姿は、妙に色っぽかったのだ。欲望が掻き回され、抱きしめたい衝動に襲われる。なんとか踏みとどまると、彼の隣に座った。
    「じろじろ見るなよ。視線がいやらしいぞ」
     じっとりとした視線を向けながら、ルチアーノが冷たい声で言う。今夜は、自分との戦いになりそうだった。
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