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    むかぁし書いてた京さんの小説。途中で飽きて投げっぱなしになってますハイ…

    「よっ」
    「…!?……なんだ。お前かよK。いい加減その登場やめた方がいい」
    「ハイハイ。どうでもいいけど、例の情報掴んできたぜ?」
     薄暗い裏路地で、いかにも裏社会の人間だと見て取れる風貌の男が2人、怪しげな会話を交わしていた。Kと呼ばれた男は、カラカラと笑いながら持っている紙束を見せつけるように揺らす。
    「……早くよこせ」
    「おっと、その前にそっちも渡すものがあるだろ?」
     相手の男は少し苛立ちながら煙草の煙を吐き出すと、一枚の紙を差し出した。
    「…ほらよ。てか、こんなこと調べてどうすんだ?」
    「クライアントの事を聞くのは規約違反だぜ。取引したけりゃルールを守れよ〜」
     対するKは苛立ちひとつ見せずに軽く受け流す。こういった手合には、無関心無反応に返すのが1番良い対処法だということをKは理解していた。
     紙を受け取るのと同時に、こちらの紙束も相手に手渡す。
    「…確かに受け取った。追加で必要な情報があれば追って連絡する」
    「毎度ご贔屓に〜」
     人波に溶け込んでいく男に手を振りながら、大した情報とも言えない1枚の紙に冷ややかな視線を落とした。視界に移るのは、暴力団員と警察や政治家の名前が記載されたリストである。
    「やっぱりこれ以上の情報は出て来ないか…」
     過去にあったある事件の犯人を突き止めるべく、情報屋としても多くの情報を集めてきたが、未だ暴力団員と繋がりがある可能性のある権力者の数は呆れるほど多い、ということしか分かっていない。
     どれだけ日本が腐った者の手で成り立っているのかだけはよく理解出来たが、それだけである。
    「クソっ……」
     もはやただの紙切れと化したそれをぐしゃぐしゃに握りつぶした。
    「時効までになんとしてでも見つけ出して、必ず俺がこの手で……」
    ……捕まえてやる。いや、○○してやる………。
     その時、手から何かがひらりと落ちた。
    「!…これは」
     先程までのラフな服とは打って変わって、スーツに身を包んだ彼は、何事も無かったかのように警察所へと足を進めた。


     所変わって千葉県警察本部。積み上げられた書類の山に、忙しなく行き交う刑事達の横を通り過ぎていく。
    「京(かなぐり)先輩!どこに行ってたんですか!?」
     今年配属されて来た新米刑事の今出厳流(いまいでいずる)は、ドタバタとうるさい足音を響かせながら慌てたように目の前に現れる。
    「どこって、昼飯買いにマックに」
     照り焼きチキンのバーガーが入った袋を見せると、厳流は呆れたように額を抑えた。
    「分かってるんですか先輩!今!捜査中ですよ!?」
    「知ってる知ってる。だがお前、肝心な時にお腹減って動けないじゃ話にならないだろー?」
     そう言いながら、2個買っていたうちの1個を厳流へと投げる。
    「ナイス反射神経」
    「いきなり何すんですか!!」
    「そんだけ動けりゃまだ大丈夫だな。後これ提出してこい」
    「今度はなんですか!?……て、これ」
     ずいと目の前に出された紙切れに手書きで書かれていたのは、今追っている犯人の目撃情報だった。
    「ど、どうやって!?1課総出で探しても足取りが掴めてなかったのに…」
    「それはな……企業秘密だよ。ってうそうそ、聞き込みのコツがあるんだよ」
     まあ、聞き込みと言えば聞き込みと言えるから嘘はついてないだろ……。
     教えてくださいと言う後輩に対し、長年やってりゃわかると適当なことを返す。
    「バーガーも食べた事だし出てくるわ」
    「どこにですか?」
    「犯人の所へさ」
    「1人で!!?」
    「なわけないだろ〜。なんのためにそれ持って戻ってきたと思ってんだ」
     紙切れを指さすと、厳流ははっとしてから急いでそれを提出しに向かって行った。
    「俺も行くんで!待っててくださいよ!」




    「先輩っ……待っててって、言ったのに」
     はぁはぁと息を荒らげながら後輩は不服そうにそう言った。
    「一人で行かないとは言ったが別に待つとは言ってないだろ」
    「俺たち相棒なんですから、もう少し、信用してくれても」
    「はいはいそうだね。もうちっとお前が頼りがいのある男になれば考えてやるよ」
    茶化さないでくださいよ~!と怒る後輩をそのままに歩みを進める。
    これから向かうのは、現在警察が追っている連続殺人犯の根城と思われる場所である。俺が個人的に探している犯人とは別だが、情報網にヒットしたのは偶然では無いだろう。何らかの繋がりがあると考えてこうして向かっている訳だが。
    「やっぱり応援待った方がいいですよ!」
    この後輩が付いて来ているのは想定外である。
    「ならこうしよう。俺が潜入してる間にお前は応援の到着を待て」
    「馬鹿ですか?」
    「冗談だ」
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