「あ、お客さん用の茶葉が切れてました!ちょっと買い出しに行ってきますね」
空になった茶葉の容器をこちらに見せながら、霊人は簡易的に設置された事務所の台所から顔をのぞかせる。
「あぁ、分かった。気を付けて行って来いよ」
「いつまで子ども扱いしてるんですか!もう17ですよ?あ、なんか欲しいものあります?」
「17なんてまだまだ子供だろ?あ~そうだな、そろそろ塩のストックが無くなってきたから買い足しといてくれ」
三十路手前からすると十分に子供だという思いが抜けきらないが、少々過保護すぎるところも否定できない。霊人の特殊過ぎる生い立ちやその能力に加えて、霊乃自身の過去の出来事がそうさせているのだろう。
そんな様子に、霊人はむぅと不服そうな顔をしながら返答する。
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