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    MaKKi

    @MaKKi_nya

    絵をマイペースに描く人。
    ここでは漫画のっけておきます
    主にMDZS
    🔞の作品は年齢以上の方のみ
    自己責任という言葉を胸に刻んで
    閲覧してください。

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    takami180

    DOODLE曦澄/訪来、曦臣閉関明け、蓮花塢にて
    攻め強ガチャのお題より
    「いつか自分の方から「いいよ」と言わないといけない澄 こういう時だけ強引にしない曦がいっそ恨めしい」
     蓮の花が次第に閉じていくのを眺めつつ、江澄は盛大にため息を吐いた。眉間のしわは深く、口はむっつりと引き結ばれている。
     湖に張り出した涼亭には他に誰もいない。
     卓子に用意された冷茶だけが、江澄のしかめ面を映している。
     今日は蓮花塢に藍曦臣がやってくる。藍宗主としてではなく、江澄の親しい友として遊びに来るという。
     江澄は額に手の甲を当てて、背もたれにのけぞった。
     親しい友、であればどんなによかったか。
     前回、彼と会ったのは春の雲深不知処。
     見事な藤房の下で、藍曦臣は江澄に言った。
    「あなたをお慕いしております」
     思い出せば顔が熱くなる。
    「いつか、あなたがいいと思う日が来たら、私の道侶になってください」
     しかも、一足飛びに道侶と来た。どういう思考をしているのか、江澄には理解できない。そして、自分はどうしてその場で「永遠にそんな日は来ない」と断言できなかったのか。
     いつか、とはいつだろう。まさか、今日とは言わないだろうが。
     江澄は湖の向こうに視線を投げた。
     行き交う舟影が見える。
     藍曦臣はいったいどういう顔をして現れる気なのだろう。友というからには友の顔をしてくれ 1659

    takami180

    DONE曦澄ワンドロワンライ
    第三回お題「夢」

    本編終了後、付き合っている曦澄。
    現実での大事なものと、本当は大切にしたいもの。

    ムーンライト宗主→ごめんねすなおじゃなくて→夢、という連想結果が何故こんなことに。
     その夜は金氏と合同の夜狩だった。そこで江宗主は大怪我を負った。
     邪祟から師弟を庇い、腹に穴をあけられた。
     江澄自身、これはまずいと感じた。血を吐き、体から力が抜ける。
    「宗主!」
     倒れたところを誰かに抱え起こされた。
     すかさず金凌が矢を射る。放たれた矢は狙い違わず邪祟を貫いた。
    「叔父上!」
    「金凌っ……」
     声にできたのはそれだけだった。怪我をせず、健やかに、生きてほしい。お前の生きていくこれからは、どうか穏やかな世界であるように。
     江澄は手を伸ばそうとしてかなわなかった。
     まぶたの裏に、白い装束の影が映る。心残りがあるとすれば、あの人にもう会えないことか。
    「誰か止血を!」
     怒号と悲鳴が遠ざかり、江澄の意識は闇に沈んだ。


     まばゆい光の中で、白い背中が振り返る。
    「江澄……」
     ああ、あなたは会いにきてくれたのか。
     江澄は笑った。これは現実ではない。彼は姑蘇にいるはずだ。
     体を起こそうとして、まったく力が入らなかった。夢の中くらい、自由にさせてくれてもいいのに。
    「気がつきましたか」
    「藍渙……」
     ほとんど呼んだことのない名を口に出す。これが最後の会話にな 1653

    takami180

    PROGRESS長編曦澄13
    兄上、自覚に至る(捏造妖怪を含みます)
     姑蘇の秋は深まるのが早い。
     清談会から半月も経てば、もう色づいた葉が地面に積もる。
     藍曦臣は寒室から灰色の空を見上げた。
     彼の弟が言っていた通り、今年は寒くなるのが早かった。今にも雪が降りだしそうな空模様である。
     藍曦臣の手には文があった。十日も前に送られてきた江澄からの文である。
     まだ、返事を書けていない。
     以前は書きたいことがいくらでもあった。毎日、友に伝えたくなる発見があった。
     それが今や、書きたいことといえばひとつしかない。
     ――会いたい。
     顔が見たい。声が聞きたい。朔月に飛び乗ってしまいたくなる衝動が襲う。
     もしこの欲求をかなえたら、自分は次に何を願うだろう。
     彼が寒室に泊ったときを思い出す。あの朝、たしかに髪に触れたいと思った。そうして前髪に触れたのだ。
     許されるならば、額にも、まぶたにも、頬にも触れてみたい。
     もはや認めざるを得ないところまで来ていた。
     断じて、彼が言っていたような義弟の代わりではない。だが、友でもない。あり得ない。
     ため息が落ちる。
     何故、という疑念が渦を巻く。己の感情さえままならない未熟を、どのようにして他人に押し付け 1845

    takami180

    PROGRESS続長編曦澄4
    あなたと口付けを交わしたい
     さわやかな朝に似合わない、沈鬱なため息がもれる。
     客坊に向かう江澄の足取りは重い。
     どんな顔をして藍曦臣に会えばいいのかわからない。だが、今日姑蘇へ帰る客人を放っておくことはできない。
     さらには厄介なことに、自分は藍曦臣に触れられたいと思っている。手を握られたように、口付けられたように、またあの温もりを感じたい。
    「何なさってるんですか、宗主」
     声をかけられて我に返った。いつのまにか足を止めていた。食事を片付けに行っていた師弟が、訝しげにこちらを見ている。
    「沢蕪君、お待ちですよ」
    「ああ、わかっている」
     江澄は再び歩きはじめた。
     客坊に着くと、藍曦臣はすでに外出の支度を終えていた。
    「おはようございます」
    「おはようございます、江澄」
    「もうお帰りになるのか」
    「ええ」
    「門までお送りしよう」
     江澄は踵を返した。よかった、いつも通りに話せている。
     ところが、「待ってください」と引き止められた。振り返る前に腕を取られる。
    「江澄、ひとつお願いが」
     腰をかがめて、思い詰めたような表情で藍曦臣は言う。江澄はごくりと唾を飲んだ。
    「なんだろうか」
    「また、しばらくあなたに 1443