あなたの体に、教え込む高野さんとのキスは癖になるほど気持ちがいい、なんて本人にはとても言えないけれど。
高野さんの両手が頬に触れて引き寄せられる瞬間の眼差しに魅入られて思わず目を閉じると、待ちきれないというように唇が性急に重ねられる。高野さんの背中に手を回して抱き締めると、すぐにキスは深くなった。
「ん……っふ」
舌が擦れ合ってお互いの唾液が混じり合う水音が、静まり返った部屋に響く。
(……もっと、もっと深く繋がりたい……)
高野さんの舌を追いかけて自ら積極的に絡めにいくと、それに応えるようにさらにきつく抱き締められる。
キスに夢中になるうちにいつの間にかベッドの上に押し倒されていた。
高野さんに抱き潰されるのは実のところ嫌いじゃない。確かに仕事に影響が出るほどになるのは困るけれど、それ程までに高野さんの余裕を無くせるのは自分だけだという優越感がある。
「……今日は寝かせませんから覚悟してくださいね」
余裕たっぷりの笑みを浮かべてそう告げる。指先で腹筋から胸元へツウッとなぞりながらそう言うと、高野さんはニヤリと笑った。
「やれるもんならやってみろよ」
「望むところです」
挑発的な言葉に嬉々として乗っかる。不安になる必要なんてないくらい、俺に愛されてるって事をもっと知って欲しい。
高野さんを夢中にさせるのも、愛を伝えるのも、全部俺だけでありたい。
そんな我儘な思いを抱えながら、俺は高野さんの首に両腕を回して再び口づけた。