村人視点オクバデBSSの加筆 村人の心を完全に砕く、決定的な出来事があった。
それは、青年が仕事相手と親睦を深めるために隣街で飲み会に参加した日のことだった。生来他人と会話をすること自体が好きではなかったが、得意先からの誘いとあっては無下にできない。
それに、飲み会の場所として選ばれた酒場が、青年にとっては好ましい店だった。酒場としては広く明るく清掃も行き届いており、食事や酒も美味しく活気に溢れている。数える程度にしか訪れたことはなかったが、『まあこの店で奢ってもらえるなら飲み会に参加してもいいか』と思えるくらいに、端的に言って良い店だった。
仕事相手の自慢話を半ば聞き流しながら、媚を売るような相槌を打つ。
その作業を繰り返していた時に、事件は起きた。
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