人のような道具、道具のような人「おや、雫さん」
「アンタ、ここに来れたんだな」
「主が力をつけましたのでぇそれでぇ、案内をお願いしても?」
「誰もいなからないいぞ」
「ありがとうございます。雫さんはお優しいですねぇ」
そこから、不思議な屋敷を雫が先導して咒を案内した。広間、空いている個室、すでに居る鬼哭の個室、厨、厠、風呂場、広すぎる庭、道場、ありすぎるほどだった。それでも、咒は他の鬼哭の呼名と顔を一致させるのに必死だ。
「殆どのお方がローさんに似ている」
「そうか」
「なぜでしょうねぇ。まぁどうでもいいかぁ武器であることは変わりないですし」
「アンタ……」
「はぁ、だってわたくしたちは武器でしょう? 主の為ならば折れることも視野にいれてますよぉ」
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