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    Saha

    こんな辺鄙な所にようこそ(誰も来てないかも)
    らくがき置き場です。あと文字の練習。とってもお試し。

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    Saha

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    リョ三で、ソ生存世界の三と映画軸の三が入れ替わったら。

    しぶにあるソ生存IFの設定を使用。
    ↑のリョ三を脳内でくっつけてたら
    ここが入れ替わったら面白いだろうな、と思ったのでお試し。
    どっちの世界線もおいしいし、帰ってきてからもおいしい…萌の永久機関できちゃう…
    しかし文章力がない。残念。
    続きかけるかな(5/8〜)

    ソ生存IF世界と映画軸の三が入れ替わったリョ三①◆◆◆


    「リョータッッ!!!」


    学校の屋上でオレは複数の不良に取り囲まれていた。
    勝ち目なんかない。でもやるしかなかった。
    殴りかかってきた首謀者の『あの人』に、オレは抑えきれない怒りを感じていた。
    アンタ、こんなとこで何やってんだよ……ッッ
    頭突きと右ストレートをお見舞いするも、別のヤツに羽交い締めにされて袋叩きにあう。
    殴り飛ばした『あの人』…三井寿は鼻から血を流してしばらくぼんやりとしていたが、
    ハッとしたように勢い良くオレに向かってきて、それから、

    響き渡る悲鳴のような声。

    「離せッ!!テメェらっ!!!」
    「三っちゃん?!」

    何故か三井はオレを羽交い締めにしていた仲間に掴み掛かり、オレはそのまま引き剥がされた。
    身体の自由を取り戻したオレは、素早く目の前の男を引き倒し拳を振り上げる。

    「ハ?……何っ?!」

    慌てふためく三井に拳が届く前に、オレは再び取り押さえられた。

    「ちょ、コラッ!!」
    そんなオレの身体をさらに三井が奪い返す。
    オレはその腕から抜け出そうと激しくもがいた。

    「ど、どうしたんだよ!?何があった?!
    ちょ、落ち着けリョータ!血、血が出てる!!止めねえとっ」
    「……三っちゃん?」

    様子のおかしい三井に仲間達は首を傾げていたが、ブチギレたオレにはもう三井を殴ることしか頭になかった。
    ……しかし

    「てめえらッ!リョータに手を出してタダで済むと思うなよ!!」

    「「「ハ???」」」

    こちらを庇うように手を広げて不良仲間との間に立ちはだかる三井に、
    流石に何かおかしいと動きを止めた。

    「……頭おかしくなったんスか。
    オレを殴ったのはアンタだろ」

    オレに言われて目玉が飛び出るかと思うほど見開いた三井は、耳栓が必要な程の大音量で怒鳴った。

    「ハア?!!オレがリョータを殴るわけねーだろ!!!」

    やっぱりおかしい。何言ってんだコイツ。

    「ってか、あっ!オレもすげー血ぃ出てんじゃねーか!!!」
    「オレがやったんで」
    「…はあ?!!オレらそんなひどい喧嘩してたか?!」
    「………アンタがオレを呼びつけて一方的にリンチにあってる最中なんだよ」
    「ハーーー?!!だぁからオレがリョータにそんなことするわけねーーーッて言ってんだろーが!!!!」

    心底訳がわからねえ、と顔に貼り付けて怒鳴る目の前の男に、コッチの方がわかんねぇんだよと睨み返す。
    三井はそんな視線もサラッと受け流し、

    「どうでもいい、とにかく保健室だ!!!!手当すんぞ!」

    手を取って引き上げられたかと思うと、あっという間に保健室に連れて行かれた。
    オロオロしながら追ってくる不良どもを言葉や足で蹴散らし、派手な音を立てて扉が閉められる。
    保健の先生は不在だった。
    ガタガタと棚を荒らし、三井が消毒やらを物色しはじめた。

    「沁みるかもしんねぇけど、我慢しろよリョータ」

    先程まで因縁をつけられ殴られた相手に手当てをされている。なんだこの状況。それに、

    「………ねぇ、アンタ。そのリョータって、何」
    「あ?ああ…2人の時はいいだろ。
    部活の時はちゃんと変えてんだから」

    受け答えも意味不明だ。

    「……?部活ってなんの」
    「あ?バスケに決まってんだろ」
    「オレはバスケ部だけどアンタは部活なんてやってねーだろ。不良の頭のくせに」
    「ハア?!!お前頭やられたんか?!
    大丈夫かよ、病院行くか。ソータに迎えに来てもらうか?」

    「………………は?」

    今、なんて言った。

    「だから、ソータに」
    「なに、言ってんの、アンタ」

    あっけに取られるばかりだった心にモヤモヤとしたドス黒いものが広がる。
    自分の表情は今、確実に氷点下以下だ。

    「……何で、その名前を知ってる……。オレをバカにするためにこんな手の込んだことしてんの?」
    「は???ホントおかしいぞお前。」
    「おかしいのはテメーだッ!!!!」

    オレは三井の襟首を締め上げ、手荒くベッドに引き倒した。
    ぐぇっという間抜けな音が響く。

    「……ぐちゃぐちゃにされたくなかったら、二度とそのツラ見せんじゃねえ……」
    「………ッッッ」

    真下にある三井は目を見開き、口を数回パクパクさせた後、言葉もなく固まった。
    気の抜けた様子の相手に殴る気も起きず、
    オレは舌打ちだけを残して保健室を後にした。

    「あーーークソ……」

    何だったんだ、アレは。
    殴られた挙句馬鹿にされて…クソみてえな時間だった。
    三井寿。一つ上のセンパイ。
    腹立たしいことに、オレは『あの人』を覚えていた。
    神奈川に引っ越してきて、孤独にバスケをしていたあの頃。
    ストバスのコートで勝手に話しかけてきて、勝手に年上面して。
    またやろうぜ、なんて言ってたくせに。
    次に会った時には不良になって因縁つけてきて、殴ってきやがって。
    かと思えば慌てふためいて傷の手当てなんかして。
    去り際のあっけに取られたあの真っ青な顔。
    情緒不安定かよ。

    苛立ちが収まらず、帰宅途中に立ち寄った公園で缶コーヒーを飲む。
    手から伝わる暖かさと、今の気持ちを代弁したような苦味にほんの少しだけ心がやわらぐ。
    頭の中は未だめちゃくちゃだが、寒い中いつまでもここにいるわけにもいかない。
    のろのろと歩きながらもいつの間にか見慣れた建物の前に居た。
    グシャグシャと頭を掻き回しながら、片手でポケットの鍵を探る。
    階段を上ると、自分の家に着く前にバカでかい障害物が丸まっていた。
    立てた足に埋めていた顔が上がる。
    家の玄関前には、項垂れて捨てられたような目をした三井寿が座っていた。

    「………ッリョータ……」
    「…ッッまだ懲りねえのかよ」
    「ごめん……!!!」
    「ハ?」

    突然の謝罪の言葉につかみ掛かろうとした腕が彷徨った。

    「最近ちょっと避けられてるかもって思ってた……けど、そこまで怒らせてるなんて……
    謝って許してもらえるか、わかんねえけど…
    ッ、2度と顔見せるな、なんて、言うなよ……」

    ボタボタと石の床に落ちるシミ。
    ハ?泣いてんのコイツ。なんで??

    「なあ、あとオレなんで髪なげーの……?」
    「………アンタ、マジでどうしちまったんだよ……」

    捨てられた犬の目をした不良の大男が泣いている。
    とても…とても目立つ。非っっ常に迷惑だった。
    仕方なしに家の中に押し込めると、家の中はシーンとしていてまだ誰も帰宅していなかった。
    しゅんとして肩を落とした三井が、ふいにテーブルに目を向けた。

    「お、こんな写真置いてたか?ソータも小さい頃は可愛かったんだな」

    だから、何で知ってんだよ。

    「………ネェ」
    「ん?」
    「なんでソーちゃんの事知ってんの?昔会ったことあんのかよ」
    「昔……?何言ってんだ?割としょっちゅう会ってると思うけど」
    「………」
    「まあ、ソータも忙しいし前よりはなかなか会えないかもな」

    だから、何言ってんだコイツ。

    「なあ、アンタ…マジ、怖ぇよ……何のハナシしてんだよ。アンタホントに三井サンなの?
    それとも幽霊か何か?」
    「はあ??オレに言わせたらなあ、お前も相当変だからな?!!やっぱ病院に……」

    先程の会話を思い出し、苛立ちながら吐き捨てる。

    「ソーちゃんは居ねえよ」
    「忙しいか、やっぱり。オレがついてくか」
    「ねえ、ソーちゃんは死んでるって言ってんだよ」

    オレの言葉に、一瞬虚をつかれたような顔した三井はグッと眉間に皺を寄せた。

    「…………何言ってんだ、お前。喧嘩中だからってタチの悪い冗談やめろよ」
    「タチ悪ィのはアンタだろ。死人をいじるんじゃねえよ。気に食わねえなら直接オレに」
    「やめろ……マジで怒るぞリョータ…」
    「アンタに名前で呼ばれる筋合いないんですけど」
    「…ッオレが悪かったから!!いくらでも謝るからっ……!!ソータが死んだとか、そんなのはやめろってゆってんだよ!!!」

    だから、何言ってんだお前ッッ

    「じゃあ蘇らせてみろよッッッ!!!!」
    「っっ?!」
    「オレがどんだけ会いたいと思ってると……!!ッッ
    もう、帰れよ……ッまた殴られたくなかったら…」

    突然出したオレの大声にビクついた後、
    目の前の顰めっ面がどんどん青くなる。

    「……………え?」
    「……?」
    「冗談、だよな…?」
    「なにが……」
    「ソータが、死んだ、……なんて……
    んな、バカな……オレ、3日前に会ったんだぜ?全然元気だったじゃねえか……?!
    もしかして体調悪いのか?入院なんてしてねーよな?
    …なんで、オレに知らせてくんねーの?」
    「何で、アンタに知らせなきゃ……」
    「…だからお前、そんなにおかしくなっちまったのか…?」
    「おかしいのはアン…

    「リョータッッ!!!」

    勢い良く抱きついてきた腕が、ガタガタと震えている。

    「怖ぇよ……ッ…お前が何ゆってんのか全然わかんねえ……助けてくれ……」
    「………ソレ、オレが言いてえんだけど………」

    途方に暮れたオレは、因縁の相手に抱きつかれたまま思考を放棄した。





    if世界の三に惚れるリョ
    if世界のリョに惚れる三

    元にもどって同じ世界のリョ三になる(予定)



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