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    Riseikobosita

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    Riseikobosita

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    XXX契約しないと死ぬアーツにかけられたので、XX契約で乗り切る話。博棘前半部分。
    なんでも許してくれ。

    実験室のドアをノックする。この時間ソーンズが使用していることは確認済みだ。返事がないことを確かめてからドアを開ける。
    「ソーンズ、今大丈夫か?」
    「ああ」
    手元のビーカーに何かの液体を測って入れているソーンズは、おそらくノックをしたのがドクターだと言うことが分かっている。返事をしたのに、ドクターを振り返りもせずに手元を見つめたままだった。
    「邪魔してすまないな」
    「構わない。オペレーターにとってお前の命令が最優先だ。それに、問題があればお前が入る前に警告をしている」
    「そうだろうな」
    それにドクターも気分を害することも、遠慮を感じることもない。ソーンズのその態度が、気安さからの無反応であることは承知だった。ソーンズとの付き合いは長い。ソーンズの一見無関心や愛想のない反応は、ドクターが気にしないことをソーンズも知っているからだ。実際、薬品を入れ切ってもソーンズはドクターには向き直らない。実験に集中している様子のソーンズに、ドクターはその手元が狂わないタイミングで話を切り出した。
    「ソーンズ、ちょっと過激なえっちに興味ないか?」
    ぴたりとその動きが止まって視線がドクターに向けられた。唐突な問いかけと、持ちかけるには少々問題のありそうな提案。ドクターを見返すソーンズは、表情を変えないままだが、ドクターは構わず先を続けた。
    「諸事情でいくつかの条件下でセックスをしないとならないんだ。その相手をお前に頼みたい」
    「条件の内容は?」
    「君と決めようと思っている」
    ソーンズはピペットを置くと、ドクターに向き直る。
    「分かった。いつにする?」
    「出来たらすぐに。……事情を聞かなくて良いのか?」
    落ち着いたソーンズのあまりに早い承諾に返事に、驚き半分、納得半分の心境でドクターは問いかける。
    まず正気を疑われるのが先だろうと思うのだが、ソーンズにはその確認も不必要らしい。
    「お前が俺を必要とするなら、答えは決まっている。話すのは承諾してからでも構わない。お前が俺の前で無防備な姿を晒すのと同じように、お前を疑う必要性を感じていない」
    ソーンズの言葉に、ドクターはソーンズがまた何かを続けようとした内容を察して微笑んだ。
    「それが盲目ではなく、私の人間性への信頼だということは分かっているよ。ありがとう、ソーンズ」
    「礼には及ばない。事実を述べただけだ」
    机の上の実験機材を手早く片付けてしまうと、ソーンズはドクターに近寄った。
    「どこでするんだ?」
    「そうだな。まずは購買に行こう。衣装を決めないと」
    「分かった」
    話が早いなあ、と思いながら、ドクターはふと気づく。
    もしかすると、ソーンズは「過激なえっち」の言葉に乗り気なのかもしれない。表情からは分かりにくいが、時間が合えばお互い誘い合う程度にセックスの頻度は高いのだ。思ったより、ストレスを感じずに楽しめそうだと、ドクターは肩の力を抜いた。

    「ケルシーが視覚化してくれたんだ。分かりやすいように危機契約の書式をもとにしていると言っていた」
    PRTSの画面を見せれば、覗き込んだソーンズはざっと一覧を確認したようだった。
    流石に説明は必要だろうと、『えっちな危機契約で18等級をこなさないと死ぬアーツ』について簡単に説明しておいたが、話は相変わらずスムーズに進む。
    胸元に印されている、鉱石病と見間違えるようなアーツの痕跡についても話しておいた。
    「プレイ内容を選べばいいのか?」
    「ああ、18等級になるように選択すればいいそうだ。ケルシーは自動化されたシステムで導き出したと言っていたから具体的な内容までは知らないはずだが、一応彼女が携わっていることを伝えておくよ」
    「問題ない。すぐに、と言っていたが猶予はどれくらいある?」
    「5時間は楽しめる」
    そういう言い方をしたのは、ソーンズが楽しませる、と言ってくれたからだった。今は死ぬ可能性よりも、ソーンズとのひとときを想像する方に夢中になってしまっている。ソーンズにその気はないのかもしれないが、そう言う気質に助けられていることは多々あった。だから今回真っ先にソーンズの部屋を訪れたのだ。
    購買に到着してから、ドクターは普段は仕切られている分かりにくいドアを開けてその奥へと踏み込む。
    たくさんの人間が生活しているロドス本艦の購買部に、アダルトグッズも置いてあるのは大人たちには周知の事実だ。ドクターはさまざまな衣装が下がっているアダルトコーデコーナーへとやってきた。
    「手っ取り早くコスチュームで等級を稼ごうと思っているんだが、どう思う?」
    「いいだろう。お前はどれが良いんだ?」
    「……君に恥じらいがないから私が恥ずかしくなってきたんだが……。……そうだな……」
    商品に視線を移したドクターは、中でも明るいピンク色をしているコスチュームに目を止める。
    「これか」
    ソーンズが手を伸ばしたそのコスチュームは、ピンクのミニスカナース一式だった。丁寧にナースキャップまでついている。サイズも揃っているようで、ソーンズは無駄のない手つきでサイズを確かめると、一着引っ張り出した。色が派手だったので目に留まっただけ、とも言えずに、ソーンズがサイズを確認するのを見つめる。それから無言でPRTSの▲▼▲ミニスカナースコスチュームを選択した。
    ミニスカナースには白いガーターとレースのショーツまでついており、趣味という言葉が脳裏をちらついた。
    「細かい契約を重ねるよりも、プレイとして無駄が出ないような組み合わせが良いだろう」
    そんなことを言いながら、横からタブレットを覗き込んだソーンズが勝手に契約をタップしていく。


    ▲▼▲ボトムは許可されないと絶頂出来ない
    ▲▼▲ボトムにミニスカナースコスチューム
    ▲▼▲騎乗位時の快楽耐性−50%
    ▲▼▲トップへの拘束
    ▲▼全ての味方の体力+50%
    ▲▼トップに絶倫を付与
    ▲▼トップに遅漏を付与


    「ソーンズ、本当にこれで良いのか?」
    契約を何度か確認したあと、ドクターは心配そうな視線をソーンズに向けた。
    「やるなら効率が良い方がいい」
    「効率に関してもいまひとつ頷けないんだが、君が辛いんじゃないか?」
    伸びてきたソーンズの手がドクターの頬に当てられる。
    「お前の命令は心地良い。心配するな。楽しませる」
    「それはどちらかというと私のセリフなんだけどな……。協力してもらうのだから」
    ソーンズの視線が僅かに和らいだように見えた。
    「お前は俺を楽しませる。よく知っていることだ。ドクター」
    あっさりと殺し文句を口にしてから、その反応を見ることなく歩き始めたソーンズを追いかけて、ドクターは動悸と期待を抱きながら、一緒に自室へと戻ったのだった。

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