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    icemochikue

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    アイコンのタカコウで一文

    #タカコウ
    kousaDogwood

    座椅子「コーウ、おいで」
     不意に読書に浸っていた水奈瀬コウの耳に、自分の名を呼ぶ同居人の声が届く。
     本から視線を外し声がしたほうに顔を向ければ、タカハシが胡座をかきながら膝をポンポンと叩き、何が楽しいのか微かに横に揺れながら笑っていた。
     小さく息を吐きながらコウは諦めたように本を下ろし、口を開く。
    「……なに」
    「見たらわかるでしょ、コウ専用座椅子だよ」
    「……そう、今日は使わないからしまっといて」
     あしらうようにおざなりに手を振って再び本に視線を戻すコウに、タカハシはあからさまに不満気な表情を浮かべると徐に立ち上がると、そのまま本の虫の真後ろに無理やり座り込んだ。
    「ちょっ、お前なぁ」
    「勝手に座椅子するのでお構いなく」
     すっぽりとコウを脚の間に収めたタカハシは悪びれる様子もなく文句を言いたげなコウに返す。
    「俺が構うわ。……たくっ、読書の邪魔はするなよ?」
    「分かってる分かってる」
     が、本当に分かっているのか飄々と笑いながらコウの体を抱き留めるように腕を回してくるので、自称座椅子をジト目で睨んだ。
    「座椅子にこんなシートベルトないだろ」
    「コウすぐ逃げちゃうから特別仕様なの」
    「……別に俺、お前から逃げたことはないだろ」
     コウがぼそりと弁明するように呟けば、タカハシは一瞬ぱちくりと目を瞬かせ、その表情をじわりと緩めながらコツンとコウの肩に頭を乗せる。
    「そっかー……コウ的には俺から逃げたことないんだ。そっか」
     まるで惚気けるような口調のタカハシに、コウは急激に自分が言質を取られてしまったような気分になり気恥ずかしさに顔を赤らめる。
     そして顔のすぐ横でにんまりと自分を見つめてくるタカハシを小さく小突いてやった。
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    icemochikue

    DONEどこに文あるか知らないから読んでねえよカス、って人向けの例のタカコウの文2作
     水奈瀬コウがタカハシという男と出会ったきっかけは、彼がアルバイトでさとうささらの家庭教師として彼女の家を出入りするようになった事だった。
     とある日、授業が終わり玄関先で軽い挨拶をしていた時に、ヘラヘラしながら鍋を持って現れた男がタカハシである。突然、カレーを作りすぎたからお裾分けしに来たという男に、コウの持った最初の感想は「変わった男」であったのだが、それなりに付き合いが続いている今でもその感想はあまり変わっていない。
     話を聞くと、このさとう家とタカハシの家は昔から付き合いがあるらしく、幼馴染という訳でもないがささらが幼い頃からたタカハシが遊び相手になってあげていた事もあって、今でもこうやってたまに様子を見に来たりしているとの事だった。所謂タカハシにとってささらは妹分という奴で、最近若い男を家庭教師に雇ったという話を聞き、問題の無い奴なのかどうか、コウにとっては大変失礼な話だが大事な妹に手を出すような奴じゃないかどうか確認の為にあの時顔を出した、という話をタカハシ本人から聞いたのは二人が付き合い初めて最初の頃である。
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