Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    tiplouf

    @tiplouf

    @tiplouf
    ほぼ椎名牧場
    基本的に他人の絵とか文で見たいものが置いてある

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 🍕 🐯 🐼 🍳
    POIPOI 79

    tiplouf

    ☆quiet follow

    大物プロデューサーが出てきます
    直接描写はありませんがなんかやることやってそうなので多分既婚

    燐ニキワンライお題『喧嘩』『背中』 夫婦喧嘩は犬も食わぬということわざがある。目の前で取っ組み合いをしている二人を見ながらプロデューサーの少女は腹ぺこ料理人ともなると犬も食わないものでも自ら作り出すのだな、きっとお腹が空いているのだろうと一方的に技を掛けられ目に涙を浮かべながらギャンギャン喚いている年上の男にテーブルに用意されていた焼き菓子を取り口に放り込んでやったらサクサクサクと軽快な音を立て飲み込んでからまた喚いている。なかなか面白い。まるで動物の餌やり体験だ。

    「プロデューサーはん、なんでそんな冷静やの?まぁわしらは慣れてるけど」
    「慣れているのはHiMERU達だけではないという事なのですよ」

     夫婦かどうかはさておき、大物プロデューサーともなればアイドル同士の様々な痴話喧嘩に巻き込まれ、始めの頃はオロオロとしたものだったが気付いた時には冷静になるを通り越し遊び始める事までも覚えてしまった。プロデューサーとCrazy:Bの関わりはそれ程なくまだほんの数ヶ月の付き合いだと言うのに慌てる事もなく冷静に対処している彼女に対してこはく達は何故彼女がここまで登り詰めてくる事ができたのかという事を理解する。

    「悪ィ悪ィ、それじゃ話の続きといきますか」
     圧倒的な力の差でニキを伸ばした燐音が話し合いに戻る。横で伸びているニキにこはくがプロデューサーがやった時と同じように菓子を差し出すと無言で咀嚼を始めたので完全に気を失っているわけではなさそうだ。ある種の生存確認である。
     小競り合いが起きたのは真面目な打ち合わせ中にも関わらずニキが燐音を茶化すような発言をした事がきっかけだ。まだ浅い付き合いではあるが既に見慣れた光景である。そして打ち合わせが終わる頃には二人仲良く肩を並べて部屋を出て至るところでイチャついているのだ。相手にするだけ無駄である。




    「燐音はんならおらんよ」
    「居場所はわかりませんが一つだけいいでしょうか?」
     後日、燐音と連絡を取ろうとするもスマホを触れない環境にいるのかタイミングが悪かったのか連絡がつかず、丁度ニキのバイト先でもあるカフェでいつものようにたむろしていたこはくとHiMERUを見つけコンタクトを取る。この二人が分からないのなら仕事中だがニキに声を掛けるしかないか、と思っていた時に引き止められる。
    「今、椎名に天城の名前を出すのは禁句です」
     詳しいことは分からないが何やら一昨日辺りから互いの空気が悪いらしい。
    「レッスン中一回も目ェ合わさん」
    「振り付けで近づく場面以外ではずっと距離を置いているので正直気味が悪いのです」
    「燐音はんはニキはんが悪いの一点張り」
    「椎名も同じです」
     二人の話を聞く限りいつもの小競り合いではなく本当に喧嘩をしているようだ。
     しかしプロデューサーは二人が今どんな関係であれ今話があるのは燐音なので敢えて深入りはしなかった。

     プロデューサーはカフェを離れてからそういえば二人の関係が悪くなったと言われる一昨日、顔を合わせていた事を思い出した。あの時は二人共いつも通りだった。発注していた衣装がニキのものだけ入力ミスがありサイズ違いのものが届いてしまった。これで手直しで済むレベルならばとバイトの終わりを狙い衣装合わせをお願いした時だった。
     当然のようにそこには燐音もくっついてきていてついでだからと燐音にも衣装を着てもらった。肝心のニキの衣装はやはりサイズが合わなかったようである程度手直しが必要になった。
    「まぁ僕は少しくらい大きくてもいいんっすけどね~、お腹膨れてもバレにくいし」
     そう言いながらこちらに背を向けたニキが衣装を脱いだ時、プロデューサーの目に飛び込んだのは背中についた赤い斑点だ。
    「椎名さんってアトピーとかあります?」
    「んぃ?なんもないっすけど急にどうしたんっすか?」
    「いえ、無いならいいんです」
     それならば虫にでも刺されたのか。背中を露出する衣装ではないし一時的なものでこれといった病気がないのなら大丈夫だろうとその場を流したが今思えばその時燐音の表情が恐ろしいほどに強張っていたような気がする。幾多の痴話喧嘩に巻き込まれたことのある敏腕プロデューサーとはいえまだ高校生なのだ。ニキの背中についている痕に対して咄嗟にどういう事であったかまで頭が回らなくても仕方がない。プロデューサーは後々それが何だったのかを理解し、己の迂闊な発言が発端になっていたのだと頭を抱えた。



    「痕付けないでって言ったじゃないっすかぁ!!!」
    「だから見えるとこには付けてねェだろうが!!!」
    「でも見られちゃったんっすよ?!それも年下の女の子に!!!!!」
    「はぁぁぁあ?ちゅっちゅされて喜んでた癖にその言い草はないっしょ?!」
    「言い方!も~どうするんっすか僕もうお婿行けねえっす!こうなったら燐音くんに責任取ってもらうっす!!!」
    「えっ俺っちの嫁なのに婿に行くつもりでいンの?旦那様の前で堂々浮気宣言は見過ごせねェなァ?」
    「いや、今のはそういう意味じゃ……とにかく!しばらくはもうしないっすからね!!」
    「お~、言ったなァ?それじゃ忍耐勝負してやらァ先にヤりたくなった方が罰ゲームな?」
    「望むところっす!!」



     夫婦喧嘩は犬も食わない。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺💞💒💞💞💒👏👏👏☺💯☺💒💒💒😍☺☺👏💒🇱🇴🇻🇪💒☺☺☺❤
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works