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    tiplouf

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    ほぼ椎名牧場
    基本的に他人の絵とか文で見たいものが置いてある

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    【7/30 新刊】燐ニキ前提 ニキぬい敗北アンソロジー『んぃの恋路は前途多難!? ~学園パロディー編~』
    寄稿分のサンプルになります
    小学生のにきぬいと小学生の燐音くんと中学生のニキとPTAのにきぬいが出てきます

    東5ホール テ47ab んぃのにこごり

    かっこいい小学生の燐音くんぃ♡小学生のにきぬい

     帰りの会を終え、教師と生徒が元気よく「さようなら」と挨拶を済ませた放課後。
    「今日俺っちと缶蹴りしたい人~!」
     黄色い帽子を前後ろ逆に被り、勢いよく黒いランドセルを背負った赤い髪の少年。クラスの中では目立つ長身、いかにも成長期である事をアピールするかのように卒業間際の六年生であるにも関わらず上履きは同級生からは浮いている白さ、そしてその白の上にはしっかりと色褪せていない黒で左足に『天城』右足に『りん音』と記名されている。
    「うさぎ小屋当番だからいけねーや」
    「おれチャリで行く」
    「あたしピアノの日だから途中で抜けるね」
    「んぃ~」
    「……っしゃ、それじゃ準備できた奴から夢ノ咲グラウンドに集合なァ!」
     遊びの約束を取り付けた男子達が勢いよく教室を出る中、追いかけるようにパステルカラーのランドセルを背負った数人の女子が出ていく。教室の中でゆっくりと帰り支度をしている女子達の視線がパステルカラーのランドセルを見送る。
    「え……**(好きな名前を入れてね)ちゃん男子と一緒に遊ぶ感じの子だっけ?」
    「ほら、◯◯(好きな名前を入れてね)くんいるから……」
    「◯◯くん好きって言ってたもんね」
    「んぃ~」
    「そっか、◯◯くんか」
     小学校高学年ともなると異性というものを意識する年頃になる。いくつか出来上がっている女子グループの中には好きな男子を共有したり、はたまた好きな男の子が同じな事で崩壊してしまったグループもある。つまり推し被りは敵なのだ。友達と好きな男子が違いほっとする子もいれば牽制し合う子達もいる。
    「…………天城くんはさ、かっこいいけどないよね」
    「俺っちはないよね、俺っちじゃなかったら好きになったかも」
    「え~、俺っちじゃなくても乱暴だし下品だからやだな」
    「ん、んぃ……?」
     元気の塊そのもののような少年、天城燐音はクラスの中心的人物だ。容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群、更に実家も太いと何一つ否がないように思える。そんな彼だからこそ好意を寄せるものは多い。しかし友情も大切にしたいからこそ彼女たちは燐音の欠点を見つけ言い合う事であわよくば諦めて貰えないだろうかと水面下で小さな争いを始める。つまり今このクラスの女子グループの中では天城燐音には恋心を抱いてはいけないという暗黙のルールがあるのだ。
    「しめしめいまがチャンスんぃ」
     しかしどこにでも抜け駆けしようとする奴はいる。天城燐音に恋する綿、ニキぬい。通称んぃちゃんは綿なのだ。綿に性別などと言ったものはない。更にニキぬいはぬいぐるみのような愛らしさからクラスではマスコットのような存在になっている。まさか誰もこの綿が特定の人物に恋をしているだなんて思わない。


    PTAのにきぬい

     まずは被害に遭った生徒から話を聞くのが筋だとPTAのニキぬいは事件が起きた現場付近へと赴く。
     夢ノ咲グラウンド付近にある狭い通り、広くはないが徒歩や自転車なら信号や交通量の多い大通りを通るよりと散歩コースとして人気があり人通りがそんなに少ないというわけではない。そんな場所で白昼堂々カツアゲなんて本当に起こるのだろうかとあんぱん片手に慎重に張り込みをする。
     しかし小学校では噂のおかげでしばらくグラウンドで遊ぶ事を禁止されている為通りかかるのは散歩をする老人、帰宅途中の中学生、犬、鳩、暇な綿くらいだ。つまりにきぬいの行動は完全に無駄である。ただあんぱんをかじっているだけの哀れな綿だ。
    「んぃ~……」
     日も暮れ今日のところは引き返そうとした時だ。ロリの音を鳴らしながらニキがにきぬいの方向へと近づいてくる。
    「なんかこっちの方からおいしそうな匂いが……つぶあんの匂いがするっす……」
     鳴っているのはロリの音だけではない、人間の腹から鳴る空腹を知らせる音。
    「っ!!」
     にきぬいは思いっきり頭を鷲掴みされ思わず汚い鳴き声を上げる。
    「あれ、このパンなんか言った?でもこの柔らかさはパンっすよね?もうだめっす、限界っす、いただきま~す」
    「んぃっ!んぃっ!!んぃ~~~っ!!」
     余程お腹が空いているのか、ニキは大きな口を開けにきぬいにかじりつこうとする。このまま食べられて綿生を終えてしまうのか、こんな事になるのなら見切り品のあんぱんぃではなく高級メロンパンぃにしておけばよかったんぃと諦めた時だ。
    「ニキッ!それは食ったらダメなやつだ!!!」
     前方から光る靴を履いた燐音がものすごい速さで駆け寄り一つつ百八十円もするにきぬいにとっては高級なメロンパンを中学生の口の中へ放り込む。
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