鈍い音と共に、脳に痛みが走る。
「……っ…!」
揺らされた脳に引っ張られる形で、身体が地面に叩きつけられる。
拘束済の手足によって受け身を取る事も出来ないままに転がった。
転がされた先は…コンクリートだろうか?
目隠しをされているため詳しくは分からないが、地に触れたところから無機質な冷たさが伝わってくる。
頭は変に冷静である一方で、身体の方はというと。
「……、ごほっ…。」
顔を殴られたせいで何か吐き出した。
口の中が切れたらしく、鉄の味がする。
そういえば鼻の辺りも痛い気がするし、なんなら全身色んな所が悲鳴を上げてる気すらする。
…困ったな、きっと何処かしらは折れているのかも知れない。
それにしても…スーツも汚れてしまっているんだろうなぁ。
4342