Rainy marriage雨が降っていた。
窓に打ち付けられる雨の音を聞きながら俺は目を開ける
肩に体温を感じながらおもむろに顔を上げると、
隣に夜が似合う男が、さっきの俺のように頬杖をついて雨音を聞いているようだった。
夜を溶かしたような黒髪や角、
その中で輝く瞳や角の先端は、夜空に輝く星のようだった。
再び目を閉じて昼間のRenを思い出す。
今日、俺たちは結婚式を挙げた。
男同士の結婚式は珍しいはずなのに、
同僚も先輩も後輩もみんな俺たちの結婚を手放しで喜んでくれた。
そして、Renはみんなの輪に囲まれて誰よりも喜んでいるように見えた。
明るく朗らかに、屈託なく。
その笑顔は太陽よりも温かく、まぶしかった。
再び目を開ける。
そこにいるのは、夜が似合う男が視線を下に落としていた。
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