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    かけす

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    かけす

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    バレンタインの日の家入くんと結原の話です

    ##創作うちよそ

    「ほら!バレンタインのチョコレイトだよ〜〜〜家入くん!」
    「おぉ…本当に作ってきたんだ……」
     バレンタイン当日、僕はアンバー生と知り合いの他クラス生全員に配るという目標を達成するために奔走していた。流石に全員に手作りを渡すのは至難の技なので、顔見知りのアンバー生、とくに同期生には手作りを渡して他の生徒には申し訳ないが既製品を配っていた。
     もちろん、同じアンバーで同期生の家入夏兎くんには手作りチョコレイトを渡す。僕の無知や破天荒にも付き合ってくれる彼には既製品なんて忍びない。紙屋くんに渡したものには劣るかもしれないが同じくらい感謝の気持ちを込めた一品だ。
    「てな訳で、交換しよ!」
    「え、交換って、チョコを?」
    「うん、家入くんの手作りチョコと等価交換!」
    「でも僕作ってきてないし……」
    「えっそうなの?」
     バレンタインはジャンヌにとって普段からお世話になっているジャックにさりげなく感謝を伝える絶好のイベントだと思ってた。だから少なくとも田中右先輩に渡しているであろう家入くんが何も用意してないのは想定外だった。
    「あれ、てっきり田中右先輩に渡してるかと」
    「……僕は誰かに渡したりしないよ」
    「ふーん」
    「ごめんね! こればっかりは…」
    「前に言ってたお父さんの事と関係ある?」
    「そ、それは!」
    「分かった、なら無理強いしない」
     これは藪蛇な予感…! 見る見るうちに悪くなる家入くんの顔色に流石に引くことを覚える僕。それはそうとこのチョコは彼に渡したい。
    「でもこれは家入くんのものだから」
    「……チョコの交換はできないよ?」
    「いいよ、代わりに3月になったらお返しちょうだい!」
    「あ、ホワイトデーだね。それならお返しできる」
    「やった!」
     家入くんに感謝の言葉とともにチョコを渡す。
    「いつもありがとう! お返しは三倍返しでいいよ?」
    「ふふふ、頑張るね」
     家入くんが僕のチョコを頬張る。青ざめてた顔に血色が戻るのを見てとりあえずは一安心。
    「うん、美味しいよ」
    「良かった!」
     家入くんの笑顔が何よりのお返しなのだが、一ヶ月の間お返しを考えてくれる家入くんを見たいので言わないでおく!
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    かけす

    MOURNINGバレンタインの日の家入くんと結原の話です「ほら!バレンタインのチョコレイトだよ〜〜〜家入くん!」
    「おぉ…本当に作ってきたんだ……」
     バレンタイン当日、僕はアンバー生と知り合いの他クラス生全員に配るという目標を達成するために奔走していた。流石に全員に手作りを渡すのは至難の技なので、顔見知りのアンバー生、とくに同期生には手作りを渡して他の生徒には申し訳ないが既製品を配っていた。
     もちろん、同じアンバーで同期生の家入夏兎くんには手作りチョコレイトを渡す。僕の無知や破天荒にも付き合ってくれる彼には既製品なんて忍びない。紙屋くんに渡したものには劣るかもしれないが同じくらい感謝の気持ちを込めた一品だ。
    「てな訳で、交換しよ!」
    「え、交換って、チョコを?」
    「うん、家入くんの手作りチョコと等価交換!」
    「でも僕作ってきてないし……」
    「えっそうなの?」
     バレンタインはジャンヌにとって普段からお世話になっているジャックにさりげなく感謝を伝える絶好のイベントだと思ってた。だから少なくとも田中右先輩に渡しているであろう家入くんが何も用意してないのは想定外だった。
    「あれ、てっきり田中右先輩に渡してるかと」
    「……僕は誰かに渡したりしな 908

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