凛の証明写真が欲しい潔さんの話「凛の証明写真が欲しい」
「……」
「余ってない?学生証作った時の残りとかない?二年前じゃもうないか。なんかの検定受けたりしてないの?」
「……」
「証明写真さ」
「うるせぇ!!何なんださっきっから!」
だって、と言って潔は口を噤む。ほっぺを膨らませて床にのの字を書きだした。もちろん全然可愛くない。が、こいつの中でこれは可愛い仕草と認識されているらしい。こういうやつのことをぶりっ子というんだな。間違いない。
「やっと会えたのに、凛が冷たい」
「やっと会う都合つけてきたかと思ったら、急に人ん家押しかけて来やがったのはお前のほうだろ。茶出してるだけありがたいと思え。文句があるなら出て行け」
「はるばる会いに来たのに、なんだよ。絶対今日泊まっていくからな!凛のお母さんの作ってくれたご飯ぜったい食べるから!」
2448