悪魔崇拝 どうしようもないほどに愛していた。
その凶暴性を、その残虐性を、その利己主義を。
野生を感じるほどに感情的な熱を、
赤く染まった瞳を、
神秘的なまでに美しい白髪を。
すべて、すべてを愛していた。
この気持ちが罪ならば、俺は。
赤也の対戦相手が派手な音を立てて倒れ込んだ。
練習試合の観戦をしていた女生徒の悲鳴を合図に立ち上がり、審判に許可を取りコート内に入る。
「赤也、そこまでにしておけ」
肩を叩き声をかけると、渋々といった様子でコートから出た。悪魔化は解けている。
少し前までは悪魔化の解除に随分と苦労していたものだが、最近では俺が声を掛けただけで簡単に解ける。
丸井は躾の賜物だな、と意味ありげに笑っていた。
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