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    らいこ

    @ryco_128

    ついったにあげられないやつをぽいぽいしてます
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    らいこ

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    「同じ気持ちなのに反対のこと考えてるおてたぬちゃん」が自分で描いといてなんだか苦しくなったので、スッキリしたくておはなしを書きました。たぬ視点。自己満足の拙い文です。

    「好きだ」「大好き」「愛してるぞ」

     御手杵が俺に対して発するその言葉が、苦手だ。行為中はもちろん、ふたりきりであれば口癖のように囁いてくる。
    「お前、それやめろ」
    「?」
    「その、スキスキ言うのをやめろっつってんの」
    「好きだから好きだと言ってるんだ、何が悪い?」
     嫌がらせをしているわけではなく、好意を示しているだけだ。理解できない、とでも言いたげに御手杵は肩をすくめた。
    「俺もお前も武器なんだからさ、人間のように愛を語るのもおかしいだろ」
    「うーん、やることやってるのに今更な話だな」
     確かに、愛し合う人間同士がするような行為を毎晩…とまではいかずとも、よくしている。してはいるが‥‥
    「それとこれとは別の話で」
    「じゃあお前は、俺以外のやつともこんなことするのか」
     御手杵はそう言いながら顔を近づけて、俺の額と頬に軽くキスをした。
    「しねぇけど」
    「ふふーん、そうだろう?」
    「でも俺は、」
     言わないほうがいいだろうと思い、今まで口にしなかったことを、少し迷いながらも吐き出すように言った。
    「そんな言葉はいらねぇよ。心臓が暴れて苦しいだけだ。」
    「‥‥‥‥」
    「こんな苦しい思いをするなら、出会いたくなかった。お前のこと、知らないほうが良かったよ」
     情けない弱音だが、本心だった。明日、失うかもしれないこの幸福が、ただただ怖かった。
    「‥‥‥‥‥」
     沈黙が流れる。御手杵の顔を、見ることができなかった。

    「‥‥‥‥ぶっ、あっははは!」
    「!?」
     突然の笑い声に、俺は顔をあげる。御手杵は、笑いを堪えきれないといった様子で、緩んだ口元を抑えながら、涙目でこちらを見た。
    「す、すまない‥‥ふふっ。正国は俺のこと大好きなんだなぁ、と思ったら嬉しくてつい‥‥」
    「なっ‥‥!俺は好きだなんて一言も言ってねぇ!今まで、一度も‥‥!」
     これだけたくさんの言葉をもらっていながら、俺からは愛の言葉をひとつも発したことがなかった。
    「言われたことはないが、伝わってるぞ。ちゃんと。」
    「‥‥‥‥」
    「俺も好きだよ、正国。出会えて良かった」
    「‥‥クソっ!勝手に言ってろ。」
    「あぁ、言うさ。何度でも!」
     駄目だ、駄目だ。その笑顔が俺を苦しくさせているというのに、本当にお前ってやつは‥‥
    「あぁ、悔しいが俺の負けだ‥‥」
    「なんか勝負してたか?」
    「うるせぇ!好きだ!」
     勢いに任せて言ってみたら、驚くほどに顔が熱い。俺はそれを見られまいと御手杵に抱きついた。優しく抱き返してきた御手杵は、何も言わずにただ、俺の髪を撫でている。こんな幸せ知らないほうが、きっと幸せだったのに。俺はこのとき初めて思った。

     こいつに、出会えて良かった。


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