このあと無限レイジングで敵の心折った「アチチ、アチ、アチチ!」
早口で訴える炎のいきものが、短い手を上下に動かして必死で説明を続けている。話を手短にまとめようとするあまり、逆に遠回りになっている。
アチチの話を補足するように、その後ろに立つファイアフェニックスが時折鳴き声を上げた。
「そうか。あの後、そんなことになっていたのだな」
私は二人の話を聞き終え、いよいよ目を覚ます時だと悟る。本当は、こんな時ではなく、じっくりと再会を楽しめる時に目を覚ましたかったが、それは叶わないようだ。
いよいよ世界が輪郭をもって立ち現れる。まず視覚データとして認識される、力尽き倒れた Soulburner と、怯えきって Playmaker を隠している Ai 。今聞いていた話の通りだ。
目が覚める寸前、私は炎と不死鳥に手を伸ばす。私が不在の間、 Ai の剣となり盾となってくれた二体のサイバースを、安堵させるように。
「任せたまえ。 Ai は私の大切な仲間だし――なにより、汚い手で尊に触れたことを必ず後悔させてやる」