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    あるまじろ

    落書きと妄想とすけべ置き場
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    あるまじろ

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    小説ってよりメモ✍️
    よって意味やオチはない

    アダやエクソシストたちがなぜ悪魔のような被り物をしてエクタミしにくるのか妄想した産物

    エクスターミネーション最初の日。
    初めてアダムは地獄という場所を訪れた。
    悪に満ちた暗い穴の先はこうなっていたのか。最初の女と、元天使が堕ちていった暗闇である。最近ではあの女の歌により勢力が増してきているこの闇から清らかな聖なる天国を守るため、築き上げた地獄という2人の楽園を破壊すべきだと自ら提言し内密に行われる虐殺行為。アイツらを少しでも傷つけることができるのが、何よりも嬉しかった。


    初めてアダムは憐れで救いようのない魂を一つ消滅させた。その罪人は酷く怯えた様子でこちらに向かってこう叫んだ。
    「人殺し!!!!この悪魔め!!!!なぜこんな目に遭わなければならないんだ!!!!!」
    自分のことを棚に上げるのはやめていただきたい。善を選ばず悪を自分の意思で愛し、道を踏み外したクズのくせに。
    肉体を切り刻み真っ赤なあの果実のような体液が全身に返ってきた。神聖な光を使えばよかったと後悔したが遅い。汚れてしまったものはしょうがない。今回は自らの手で罪人たちを引き裂いていこう。


    ふと後ろに懐かしい気配を感じた。ルシファーがいる。見ていたのだろうか?止めにきたのだろうか?それとも、わたしに会いに来たのだろうか。
    血濡れになった自分をひとしきり見た後、地獄の王となった元天使は笑った。そして口を開く。

    「罪人というのはな、アダム。ここに堕ちてきた魂をたくさん見てきたが皆同じ。破壊と暴力の限りを尽くそうとする。まるで今のお前のように。」

    なにを言っているのか全くわからなかった。

    「気づいていなかったか?お前、そこの罪人を肉片にしている間、笑っていたぞ。」

    こんなふうにな、と不気味なほど美しく笑ったルシファーの顔を見てアダムの心は憎しみと怒りと嫌悪に満ち溢れた。その感情たちは紛れもなくルシファーによって植え付けられたモノであった。



    初めてのエクスターミネーションを終えたアダムは気づけば天国へ帰っていた。あの憎い堕天使に会ったあと目の前が負の感情で真っ赤になったのは覚えているがその先は思い出せない。どうやってここまで帰ったのだろうか。
    そうだ、セラを探さなければ。報告を。無事たくさんの罪人どもは死にいたり、天国の安全は保たれたと伝えなければならない。重たい足取りで母を探す迷子のようによたよたとアダムは歩き出した。翼で飛ぶ力は残っていなかった。

    アダムには母はいない。主によって創られた土人形なのだ。当たり前である。アダムは人間を増やすための種に過ぎなかった。なのでその姿は生まれた瞬間から死に、天使となった今ですら何一つ変わらない。最初の人間でありはするが、後から生まれていった人間たちと明らかに違っていた。成長することも老いることもなかった。死は平等に訪れ天国に来たはいいものの、やはり人間上がりの天使と自分とでは天国でも違っていた。皆生前に縁のあるナニかの姿をした天使だったが自分はどうだ。どう変わることも出来ないアダムそのものの姿でしか無かった。自分は特別であるためそんな事はどうでもいいのだが、心のどこかでは引っかかってしまう杞憂だった。


    アダムは少なからずセラから褒められると思っていた。地獄から天国を守り、名誉ある仕事を一任されたと信じてやまなかったからだ。

    「なんですかその穢らわしい姿は。」

    セラの一言目はそれだった。そういえば血塗れのままであった。他の天使に見られなかったのが不幸中の幸いだとばかりに深いため息をついたセラによってみるみるうちに綺麗になっていく身体。鼻がバカになっていて気づかなかったが酷い硫黄の匂いがしていることにセラは眉間に皺を寄せていた。

    「次からはこんな事がないように。分かりましたね?」

    名誉ある、仕事を。最初の人間であるわたしが。天国を守るために。

    「はい、セラ。」




    こんな時に限って思い出すのはエデンの頃の思い出。悲しみも憎しみもないアダムにとって人生最高の尊いひととき。

    「アダムはいいこだね。」

    憎くて、自分ではなくあの女の手を取り堕ちていった愛おしい天使の声が頭の中を回る。
    いつだってお前はわたしを縛り離してはくれないのだな。お前が置いていったくせに。硫黄の匂いが消えるとアイツまで自分の中から消えていくようで涙が流れた。



    初めて手にかけた罪人の言葉をその通りにしてやろう。罪人にとっての悪魔となろう。表情など分からぬように仮面をつけ興じるエンターテインメント。非情で残忍な、美しく尊い天国の住民による娯楽。笑顔でいて何が悪い。わたしはアダムなのだ。

    「わたしはなにも間違えない。」

    来年笑顔で地獄の王に会えるのが楽しみだ。
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