長い廊下、まだ一度しか来たことのない其処を目的地へと向かう。窓から外の景色を眺めれば、登校中の生徒がちらほら。
親の都合で、この春から独り暮らしを始めることになったマルコスは、今日から始まる2年生を新たな学園で過ごすこととなった。曰く、転校生ということになるが、2年生であるということは、グループがもう殆ど確定しているだろうと易々想像がつく。
「失礼します。んと…今日からお世話になるマルコスです」
一度見学にきて見覚えのある扉、確認するようにその上の室名札を見れば"職員室"の文字。迷うことなく無事に此処まで来れたことに少し安堵しつつ、こん、と3回軽くノックしては扉を開け中へ入った。
担任と思われる先生が、待っていたよ、と快く出迎えてくれては、そのままHMが始まろうとしている教室へと案内されるのだった。
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