「お帰りなさい、狩人様」
夢の中に佇む人形が、私の姿を認めてそう口にした。
私はその声の主へと目を向けた。
「…………」
足が、動かない。ひどく、ひどく疲れていた。今回の狩りは酷かった——いや、いつも「酷い」のだが。複数の群衆に殴りかかられ、あるいは狂った女どもの振るう焼きごてで肉を焦がされ、またあるいは我先にと腑や首を食いちぎろうとする獣たちに飛びつかれ——何度あの薄紫の灯りの前で目覚め直したか覚えていない。
とにかく、疲れていた。憔悴していると言ったほうが適切かもしれない。声をかけてくれた彼女の元に歩み寄り、ただいまと返事を返したいのに、足は固まり、手も伸ばせず、唇を動かすこともままならなかった。
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