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    お疲れの💙が💜にポロリしちゃう話です

    #ikeshu

    💙💜「おつかれだね、大丈夫?」
     大学の授業が終わり家に着く。食事、片付け、風呂を全て終わらせてあとはもう寝るだけの状態にして、パソコンをつけて僕は山のように溜まっている課題に手をつける。その時に同じ大学に通うシュウと電話をするのが日課だった。シュウとは学科が違うけど共通の趣味で仲良くなった。綺麗な顔立ちだけど笑うと可愛くて、みんなといる時は大人びた対応をするけれど僕といる時は年相応の反応をする、そんなシュウに僕は惹かれていった。話しやすくてシュウと電話しているといつも時間がたつのが一瞬であった。Hi shu、といつものように声をかけた僕に返って来た言葉は心配の声。毎日電話しているから声の違いに気付いたのだろう。
    「…うん、課題終わらなくて」
    「そっちの学科は大変そうだねぇ。何枚もレポート書かなきゃいけないんでしょ?」
    「そうなんだ、それも一科目じゃなくて何科目もあるからね。おかしくなりそう」
    「僕なら無理」
     んえ、っと嫌そうな声が聞こえる。シュウは理系の学科(この前シュウの勉強してることを詳しく教えてもらったけど理解ができなかった)で首席ではないけれど常に上位にいるらしい。そんなシュウだけど文系学科が特に苦手らしく僕の学んでいることを聞いた時はいつも難しい顔をする。そんな表情も可愛くて仕方ないんだけど。そうだ、とシュウが手を叩く。
    「終わったらぱーっと打ち上げしよ!休みにはいるしさ!」
    「なんかさ、したいことある?」
     したいこと…?そうだなぁ。もうすぐ夏だし海に行きたいかも。ああ、でも人が多いしシュウの水着姿を見て冷静にいられないだろし山でもいいかな。キャンプに行って2人で星を見るなんてロマンチックでいいんじゃない?綺麗だねってシュウの方を見て、シュウもそうだねって僕の方を見て返す。二人見つめ合ってどんどん距離が近づいていって…。寝不足で頭の回っていない僕はぽろりと口にした。
    「…シュウとキスしたいかなぁ」
     シュウの方でダンッと何かにぶつかる音がして僕は正気になる。今僕は何を言った何をこぼした?頭をフル回転して思い出すけれど絶対に言ってはいけない事を言った。シュウはその音を出してから一言も返事を発してない。完全にやらかした、引かれた、待って、違うんだと否定しようにも焦り過ぎて言葉が出てこない。やっとの思いでシュウ、と口にすることができた。
    「いつまでなの?」
     今まで沈黙していたシュウから一言。え?なんの話?わけもわからずに言葉にならない声を出していたらシュウが続ける。
    「いつまで忙しいのが続くの?」
    「えっと…来週の火曜日です…」
    「わかった」
     ガチャリと電話が切れる音がした。え、わかった?わかったって何が頭が混乱してその日の課題は殆ど手をつけられなかった。

    ⊹ ࣪˖

    「終わったー」
     ぐっと大きく腕を上に伸ばして伸びをする。シュウと最後に電話した日から1週間がたった。それまでは毎日電話していたけどなんだか気まずくって一度も電話はしなかった。シュウと電話をしなかった毎日は課題に没頭したおかげで満足のいくレポートにはなったと思う。これをメールに貼り付けて送れば終わり。カーソルを送信ボタンに合わせて押したと同時にピーンポーンとチャイムが鳴り響く。配達の予定はあっただろうか、最近は課題に必死で何も覚えておらず知らぬ間に注文していたかもしれない。はーい、と答えながらドアを開けたら意外な人物が立っていて思わず固まってしまう。
    「シュウ…?」
    「んへへ、お疲れ様。ケーキ買ってきたから一緒に食べよ」

    ⊹ ࣪˖

    「アイクここのケーキ好きだったよね?」
    「う、うん。覚えててくれたんだ」
     んへへ、と笑いながらケーキを取り出してくれる。1週間ぶりに聞いたシュウの声。僕の失言のせいで電話ができなかったんだけど、普通に会話できてるだけで少し涙が出そうになる。
    「アイク」
     名前を呼ばれてシュウの方を向けば、頬杖をついて笑顔でフォークにイチゴをさし僕の方に向けている。
    「頑張ったからね、ご褒美」
     はい、と口元にイチゴを押しつけられる。おずおずと口を開けてシュウの手からイチゴを食べる。
    「ありがとう」
    「いーえ」
     ふにゃりと笑うシュウがとても可愛い。この笑顔を見るだけで心が温かくなる。というか今気付いたけどこれもしかして関節キス、だよね…?絶対に赤くなっている顔を見られたくなくて俯いてケーキを食べる。
    最後の一口、自分の分のイチゴとケーキを一緒に口に含む。ふと前を見たらシュウがいない。どこいったんだと思ったけど隣に人の気配、顔を横に向ければ隣に立ったシュウがこちらを見下ろしてた。シュウの手が僕の頬に添えられる。どうしたの、と口にする前にシュウの顔が僕に向かってきた。
     ゴチン!僕の額にシュウの額がぶつかる。それと同時に唇に小さな痛み。少し涙目になりながらぶつかった額をおさえながらシュウの方を見れば、シュウも同じように涙目になりながら額をおさえていた。僕の視線に気づいたシュウが慌てた表情で僕の手の上から手を重ねた。
    「ごめん!アイク!痛かったよね!?大丈夫?」
    「大丈夫、なんだけど。え、なに?何が起きたの」
    「その、アイクが…」
     急に歯切れが悪くなったシュウ。僕が?何?訳もわからず首を傾げていたら覚悟を決めたように答えた。
    「アイクが終わったらキスしたいって…」
     失敗に終わったが先程するはずだったことを思い出したのか、顔を真っ赤にして俯くシュウ。僕の顔を見ずにゆっくりと口を開いて説明してくれる。
    「僕、キスしたことないから…。この1週間、ぬいぐるみで練習してたけど、失敗しちゃった…」
    「待って待って待って????」
     は?可愛すぎやしませんか?引かれたと思っていたあの沈黙期間ってどうやってキスするかで悩んでたってこと?シュウは恥ずかしさのあまりに両手で顔を隠した。耳まで真っ赤にしたシュウが愛おしくて仕方がない。…ってことはさっき唇に感じた痛みって。
    「やり直し…!やり直しを希望します...!」
     僕は立ち上がってシュウの腰に腕を回して抱き寄せた。顔を覆っていた両手を丁寧に剥がしていき、まだ照れて顔が真っ赤なシュウを見つめる。空いている手でシュウの髪を耳にかけてそのまま後頭部に添える。ゆっくり顔を近付けていき、鼻が触れ合う距離までよればシュウは瞼を閉じた。僕も同じように瞼を閉じて唇を重ねた。一瞬だったかもしれないけど、僕にとっては長い長い時間だった気がする。

     2回目にこの柔らかい唇に触れた時、それはそれは甘いショートケーキ味がた。
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