Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    Tclocks_Second

    @Tclocks_Second

    廿楽くろっくす。のぽいぴくです。
    創作メイン、他ネタバレやえっちなのまで。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 63

    Tclocks_Second

    ☆quiet follow

    深夜のごはん、ついつい食べちゃうよネ。

    夜更かしのスパイス (ロコツ+シャッコ+ラフラフ+カレンデュラ)「はいはい、お借りしますヨ~っと」


    からからこっそり、囁く人影。

    時刻は恐らく午前1時。
    ぱちん、と事務所の明かりがついた。

    黒鬼とは称するけれど別に(まあ代表は奔放だが)ブラックじゃあないので、
    事務所は無論、がらりと無人。

    すうすう寝息を立てる相棒を、そっとテーブルに寝かせる。
    寒くないように、黄色い『おくるみ』もばっちり。

    愛用のマグカップ、小さな器を用意するのは黒鬼一派の用心棒。
    『折れない』スケルトン、"肩透かし"のロコツ。


    「ええと……どこやったっけナ、インスタントのやつ」


    台所のパントリーをごそごそ漁り、お目当てのものを探る。
    ああ、あったあった、ちびラーメンお徳用。

    大袋から、二つほど個包装の乾麺を取り出す。
    既に味付けがなされている、便利なおやつ。


    マグカップと器にひとつずつ、中身を空ける。
    シャッコはとっても鼻が良いから、匂いで起きることも踏まえて。

    更にロコツは、台所の調味料入れを見て思案する。
    手にしたのは、エスニックな香りのスパイス瓶(謂わばカレー粉だ)。

    それをぱっぱと二、三振り。
    これだけで身体ぽかぽか間違いなし。

    さてお湯を沸かそうか。
    小鍋に水を注ぎ入れたところで、黄色いおくるみがもぞっと動く。


    『む……ロコツよ、眠れんのか』
    「ん、ちょっとお腹空いちゃったんだよネ」


    流石はグルメなスケル豚、微かなスパイスでもそりとお目覚め。
    ホッカ石台の上に小鍋を置いて、沸くまで暫しのお戯れ。

    まだ眠そうな相棒を優しくやさしく撫でほぐし、
    小さなあくびが可愛らしい……



    「つまみ食いいけないんダー!」


    凛と可愛い少女の声。
    事務所の机の影に、ちょんちょんひょいと白いおめめ。

    そのままぬうっと形を成せば、愛らしい白髪の少女がにっこり。


    「あちゃァ、起きてたのかラフラフちゃん」
    「お散歩から帰ってきたんだヨ~♪
     それでロコツ、何作ってるの?」
    「そうだネ、ちょっと待ってて」


    食器棚から、パントリーからもうひとつ。
    合計三つの『お夜食』セットができあがった。


    「ねえラフラフちゃん、"取引き"しよっか」
    「取引き?」
    「ラフラフちゃんの分も作ったげるかラ、この事は内緒で───」



    「お湯が沸いてますわよ、ロコツくん」



    はっと二人が振り向けば、今度は羊角の美しい悪魔。
    彼女はにこ、と笑って小鍋を火から降ろした。


    「たはーっカレンちゃんまで!」
    「だって気配がしたんですもの、ふふ。
     シャッコくんはお眠かしら?」
    『むぅ……、もう目は覚めたわ、巻き角銀悪魔』
    「声がねむそー」


    さてロコツくん、とカレンデュラが向き直る。
    なんとなく次の言葉の察しがついた。


    「───貴方の言う"取引き"、私も気になりますわね?」




    四つの『お夜食』を口にしながら、夜更かし組はくすくす笑う。
    こんなの代表にバレたらオカンムリだね、と。




    翌朝揃って寝坊して、違う意味で怒られて。
    ふわと香ったスパイスに、シュガーが首を傾げたとか。


    Tap to full screen .Repost is prohibited
    👏👏👏👏👏❤❤❤❤❤❤❤☺👏🍜🍜🍜🍜❤❤🙏❤
    Let's send reactions!
    Replies from the creator