◯月◯日
凄い不満そうな顔をしているテメノスと、目があった。どうして私まで…と目で俺に訴えてきているが、無視を決め込む。
不満なら、お前の横にいるクリックの奴に言ってくれ。俺は確かに人手不足だからたまには手を貸せとクリックに頼みはしたが、まさかストームヘイルにお前を連れてくるとは全く予測していなかったんだ。俺は無実だ。
◯月□日
酷く困った様子のテメノスと、目があった。どうにかしてくれと目で訴えてきているが、俺はそれに気付かなかった振りをする。
前々から思っていた事だが、お前はもう少し食べるべきだ。だから俺は、今回はクリックの方を応援する事にした。あれを食べろこれを食べろと、テメノスに次々と食べ物を勧めている友の方を。サラダだけで、食事が成立すると思うな。
◯月×日
クリックに担ぎ上げられた状態のテメノスと、目があった。助けてくれと目で訴えられたが、無視する事にする。
何も告げずに勝手に調査に行った、お前が悪い。姿を消えたお前を俺とクリックがどれだけ慌てて探したか…。これに懲りたら、せめて行き先を告げてから調査へ向かう様に事だ。
恐らくお前が一人で行くという時点で、クリックの奴は怒り狂うとは思う。が、それは俺には関係のない事だ。
◯月△日
朝早くに一人で歩いていたテメノスと、目があった。アイツは俺に気付くと、にっこりと微笑んだ。俺は即座に回れ右をして、全力でこの場から逃げようと走った。
ここで会ったのも何かの縁、じゃない。俺を導いて強引に連れていこうとするな。クリックはどうした、また寝坊か?…おい、聞いているのか!?止めろ、護衛なら奴に頼め。俺を巻き込むな!!
◯月▽日
酷く困惑したテメノスと、目があった。どうすれば…と訴えてきているが、俺はお前がどうにかしろと首を横に振った。
自分が眠っている間に俺とテメノスが二人で調査へ行ったと知ったクリックは、拗ねた。起こしてくれればとか、僕なんかどうせ…とずっとブツブツ言っている。簡単な調査だったので俺達はすぐ戻ってきたのだが、それからコイツはこんな感じでずっと不貞腐れている。
結果的に置いていく形になったのは悪いとは思うが、この件に関しては俺も被害者だ。悪いのはテメノスなので、奴には頑張ってクリックのご機嫌でもとってもらう事にした。1日ぐらい思う存分構って甘やかしてやれば機嫌も直るだろう、きっと。
◯月◇日
疲れはてているテメノスと、目があった。恨みがましくこっちを見つめてきているが、俺はそっぽを向いて無視を決め込む。
機嫌が直ったのか、クリックの奴は今日はずっとニコニコと笑っている。が、俺には関係のない事だ。今日中に片さねばならない書類が多くあるのだ、邪魔しないでくれればそれで良い。
◯月▼日
俺の仕事が一段落ついたのでそろそろフレイムチャーチに戻るという二人に、そうか今回も助かったと言って別れた筈だった。
…なのにどうして、俺はフレイムチャーチに居るんだろうか?つい連れてきちゃいました、じゃないぞテメノス!ふざけるな、俺は今すぐストームヘイルに戻るぞ。おい、邪魔をするなクリック!!
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