力を求め対価にと様々なモノを犠牲にし捨てた
追い求め手にした時には、ポカリと穴が空いた心だけが残った
塞ぐために手当たり次第押し込んだが全て闇に消え、埋まらず満たされない
常に疼き乾く大穴を埋めるにはどうするかと考え
真っ先に導かれた答えはとても簡単だった
捨てて出来た穴なら捨てたものを取り戻そう
惨めに這いつくばり藻掻いてたあの頃を
戦いの次元が違いすぎて邪魔にならぬ様にと身を隠したのだろう、アイツの元に向かう
どこに隠れたなんて確認せずともわかる
一直線に向かって来る俺を恐れているのか、恐怖が伝わってくる
その恐怖が…失っていた感覚が感じ取れる事に高揚する
たったコレだけの事で、こんなに満たされる
もっと傍に行けば、恐れ以外の感情を出させたらどうなるのか…
考えるだけで愉しくなる
物影から脱兎のごとく走り出し、遠ざかる姿に腹の奥底から笑いと共に怒りが湧いてくる
追いかけるのも楽しいが、俺から逃げるのは許さない
インベントリに収納していた短剣を一振り取りだして
後を追う
まずは足を切り飛ばして躾をしなければ