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    みーな

    主にトモゲの斯波家の腐絵(主人公右)。お兄ちゃん推し。
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    みーな

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    蛇足かもしれませんが海パパ×主人公SSS(海月の骨二年後)
    閲覧orBMして下さった方感謝です。
    パパ=ザル、聡音=ワク 飲んでるのは焼酎、日本酒。

    20歳以上組のお酒の好みを考えるのも、いとおかし。
    兄=ブランデー、魅嶋=ワイン、クロキ=ビール、流星=シャンパン(ホストならドンペリか)、先生=ウィスキー、バルス=バーボン、神代=養命○ ※全て個人のイメージ

    思い寝「これ、寝てるのか?」
    「……寝てる。」

    机を枕に突っ伏してしまっている片切を目の前に、聡音と顔を見合わせた。

    息子と思って大事にしていた片切友一とは、ある出来事があってからほとんどの接触をメールか電話で済ましていた。
    「顔を見ると甘えてしまうし、距離が近いと利用したくなるから」とはっきり言葉にして伝えて来て、それでもかなり頻繁に連絡をくれるようになった。親なんて、利用するだけ利用して勝手に独り立ちして行けばいいのに、と思わないでもないが、その意思を尊重し、自宅に会いに出向く事も控えていた。
    その「息子」が大学に合格した、と照れくさそうに自宅まで報告に来た。

    バイトをしながら学費を貯金し、さらに高卒認定から入試の勉強――金銭的な援助は断固拒否された。
    久しぶりの再会で見た顔は、ずいぶんと大人びていた。

    「お前どれだけ注いだ?」
    「………ちょっとだよ……」

    聡音は肩を竦める。
    二十歳を越えたなら、合格祝いで軽く飲もうと誘うと「いいよ、俺もタダ飲みしたい」と笑顔で付き合ってくれたのだが。

    金の大切さが分かってるこいつが飲み慣れているとは思わないが、そういうのは調節出来るヤツだと思っていた。俺以上に酒呑みである娘につられたのかもしれない。空いてる瓶を考えると、そこそこに酒豪だろう。
    ちゃんと布団で寝かせようと、よっと抱き上げると後ろから聡音が呼び掛ける。

    「パパー、ちょっと出掛けてくる。次の日程の相談。いつものメンバー。夜には戻る」
    「そんな用事あったのか?今から?」
    「そんな飲んでないし。」

    パタパタと出ていく背中を見送り、客室の襖を足で開け、そっとベッドに下ろす。
    布団をかけようとすると、静かに呟く声が聞こえた。

    「抱っこしてもらうって、この年でも意外と気持ちいいもんだな……」

    振り向くと、のんびりとした目がこちらを見ていた。
    「寝てなかったのか?」
    「いや、たぶん寝てた。今揺れて起きた。またすぐ寝そう……」
    「悪酔いしてないか?」
    「すごく今、気持ちいい。でもくらくらする。頭あげらんない。」
    「あぁ、それは寝てろ。」
    「俺の体重でも前で抱っこ出来るんだな……お姫様抱っこってああいうのー?」
    無邪気に聞いてくる。確かに悪酔いはしてなさそうだが、楽しそう過ぎて少し面食らう。
    「さあな……もう寝てろ。」
    布団をかけて髪を整えると、気持ち良さそうにとろけた瞳でじっとこちらを見つめて来た。

    「なぁ海童さん。」
    「何だ?」
    「……俺、合格祝い欲しい。」

    やっぱり酒が入るとだいぶ饒舌になる。シラフでは頑なに要らないと言っていたのに。

    「何が欲しい?」
    「……キスしてくれない?」

    一瞬息を止めてしまったのを見て、片切はすぐに笑った。
    「ごめんなさい、冗談。……忘れてくれ……」
    そして、目を瞑る。

    長く付き合えば、こいつがゴメンとごめんなさいを意識せず使い分けているのが分かる。
    冗談ではなかったのだろう。

    二年前、抱いてくれと言われた時は、愛される事に飢えたせいで一番分かりやすいセックスという手段を取りたがっただけかと思っていた。
    少しずつでも自分を大事にしていたようだったし、ハゲのおじさんへの恋心など、勘違いとまでは言わないが、「そんな事もあった」と笑い飛ばす過去として消えているのだろうと思っていた。

    まさか二年以上恋こうてくれていたとは、思いもよらなかった。

    酔って薄く赤くなった顔、とろんと潤んだ瞳に、二年前の記憶が鮮烈に呼び起こされる。
    すべてを見て、聞いて欲しいと言われた。あのいじらしさを忘れるわけがない。
    艶やかな笑顔。
    腕の下で乱れ狂う肢体。
    本気で求めてくる淫らな声。
    カッと熱が上がる。

    「片切……いや、友一」
    「んー?……」
    呼ぶと、うっすらと目を開けた。
    「抱かせろ。今、お前が欲しい。」

    そう言うと、嬉しそうに笑って腕を背に回される。しなやかな身体がすっぽりと腕に納まる。ふわりと触れた暖かい首筋に口づけようとした、丁度その時――
    「はは、すげぇいい夢……」
    「え?」
    背に回された腕がするりと滑り落ちる。
    腕の中から、やわらかな寝息が聞こえてきた。腕を緩めて改めて顔を見ると、幸せそうに寝入っている。

    あどけない寝顔に我に返った。
    酒は、……本当によくない。
    そもそも二年前も酒がすべての原因だった。
    起きたら願望が見せた夢になっている事を願う。

    聡音よ。もしかしたら気遣ってくれたのかもしれないが、パパはやっぱりパパだ。
    若い子には、飛び立って欲しい。

    「本でも読むか……」
    一人部屋に残すのも忍びなく、時間潰しを取りに立ち上がりかけ、枕元に戻った。
    「今日だけは、俺のものでいてくれ」
    襟をくつろげ、肩口を軽く吸い痕を残す。夜には消えるように。


    《 終 》


    飲みすぎたのは、単純に、嬉しかったから。
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