線香花火🎇「もし、上に兄弟がいるなら誰がいいですか?」
「んー…… 沢良宜かな。優しくてまっすぐで正義感が強くて。俺がクズな方向に行かなそうだ。」
「形容だけ聞いてると友華さんみたいですね。友一君マザコン?」
「……そういうお前はファザコンだろ。で、真次、お前は?」
「私は美笠天智君がお兄さんがいいと思います。頭が良く人付き合いもうまい。目的のためには自分を汚す事も辞さない。話が合いそうです。」
「意外な組み合わせだけど、確かにそうかもな。でも、沢良宜じゃねぇんだ? けっこう絡んでたように見えたけど。」
「心木さんが沢良宜さんを随分意識していたので絡んでただけですよ。確かに沢良宜さんは、私でも感情が読めるところは可愛いですが、身近にいると飽きそうなので。」
「じゃあこんど、お前から。下に兄弟がいるなら誰がいい?」
「もちろん心木さんですね。素直で可愛い子です。友一君の気を引くにはどんな格好がいいかと聞かれて、可愛いとセクシー両方用意すればとアドバイスしたら本当に実行してくれました。神代も喜んでました。」
「あのパジャマ、お前のせいかよ。」
「パジャマ……?まぁパジャマにしておきましょう。次は友一君の番です。下に兄弟を持つなら?」
「四部一択だな。スポーツ万能のちょっとバカな憎めない弟、最高じゃん。」
「私ではないのですか?」
「憎たらしい要素しかない。」
「友一お兄さんを尊敬する賢い弟になれそうな気がするのですが。」
「無理だろ。だいたいお前だって俺選んでねぇよな。」
「…… いやらしい事したいので兄弟は無理です。」
「劣等感に苛まれたくないって言ってくれていいんだぜ。」
「…… はい、タイムアップ。友一君何本?」
「ヤナギまでいったのが十本。」
「私は全部、つまり十二本。私の勝ちです。」
「チッ。こんな短時間に線香の玉が落ちるような動揺なんて誘えるわけねぇだろ、先生の話じゃもう無理だし。…… 明日またやろう。」
「線香花火楽しいって言ってくれていいんですよ。」
《終わり》