この腕の中に閉じ込めたい彼女のことを愛おしいと思い始めたのはいつだっただろう?
私の中にこのような感情が芽生えるなど思いもしなかった。
ただフリーナが愛おしく、私の腕の中に閉じ込めてしまいたい。そう思った。
そんな思いを抱えていたある日、フリーナの目が一時的に見えなくなった。
「魔物の毒に当てられたのね。数日すれば見えるようになると思うわ」
「そうか。フリーナ殿。少しの間、パレ・メルモニアで過ごして欲しい。今の君はあまりにも無防備な状態。何かあれば大変だ」
目に包帯を巻かれたフリーナは小さく頷く。
「今回ばかりはキミのお世話になるよヌヴィレット。迷惑をかけるね」
迷惑などでは無いと言いたいが今はその言葉を飲み込み彼女の頬を撫でる。
「シグウィンありがとう。後は私が全て行うので心配はしないで欲しい」
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