愚行 大きくてきれいに舗装された道のすみ、ごろりと横になって珍しいペールグリーンの髪の隙間から遠くケファレを見上げていた。暖かくて柔らかい光は、ついぞ故郷では見なかったものだ。この暖かい"光"というものは、もうここ永遠の聖都オクヘイマにしかないらしい。
先日滅ぼされたばかりの故郷では作物は実らないし、動物達は痩せこけていた。
神よ。世を背負うケファレよ。
ここにおわしたならば、何故助けてくれなかったのですか?
ー・愚行・ー
つい先日オクヘイマ入りした生き残りのうち、一人の子供がどうやら黄金裔であるらしい。アグライアは自身の金糸にかかった子供の動向を知るために雲石市場へとやってきた。子供はもっと外縁の道端で死んだように転がっていると知っている。無気力に転がってすでに2日。黄金裔であるのならばこんな事で死にはしないだろうが、そろそろ、とりあえず何か食べさせなければいけない。
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