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    kame_SF

    @kame_SF
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    kame_SF

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    現パロのフロジャン文!注意書き必読!
    性癖に正直に描くとマジで倫理観が死ぬのでダメ。あと私の書く文章死ぬほど読みづらい…楽しく書けたからヨシ!

    #フロジャン
    fro-jan

    明けない夜【注意】
    ・不倫、寝取り
    ・ジャンがモブ女と婚約しているし過去にも何人かと付き合ったことがある(モブが直接登場することはないです。登場人物はフロックとジャンだけ)



    「どうしてパーティーに来なかったんだよ」
     不服そうな声を出しつつ、ジャンの顔には喜色が滲んでいた。フロックと2人で飲めることが心の底では嬉しかったのだ。
    「つまんなそうだったから。俺、ジャンの友達とはそんなに仲良くねえし」
     フロックはジャンのグラスに酒を注ぎながら素っ気なく答えた。洒落たラベルのワインボトルは、フロックの土産だ。自分で持ってきておいて、ワインは嫌いだからと少しも飲もうとしない。
     ジャンは乾杯でもしようかとグラスを掲げかけたが、フロックが冷めた目線を向けてきたため黙って手を下ろした。
    「祝ってくれるんじゃねえのかよ」
    「俺はただジャンと飲みたかっただけなんだよ」
     ジャンが少し傷ついて口を尖らせると、恥ずかしい文句が恥ずかしげもなく返ってきた。ジャンは何も言えずにグラスを傾けた。
     フロックは少し椅子を引き、ジャンがコクコクと酒を飲んでいるのを、正面からまっすぐ眺めている。2人はジャンの家のリビングで、気楽な宅飲みというものをしていた。しかしジャンはフロックの視線に晒されて、少し落ち着かなかった。

     ジャンの言ったパーティーとは、「独身さよならパーティー」のことだ。ジャンは明日に結婚式を控えていて、今夜は記念すべきか惜しむべきか最後の独身の夜だった。
    「お前の嫁は?」
     フロックはジャンが婚約者と同棲している住処をチラリと見回して言った。
     フロックはジャンの妻になる人を「嫁」と呼ぶ。一度引き合わせて面識もあると言うのに、名前を呼ばない。そのガサツな呼び方を指摘したことも何度かあるが、正されることはなかったし、さすがに婚約者の面前で嫁呼ばわりすることはなかったから、ジャンは諦めてしまった。
    「あいつも今夜はパーティーに行ってる。まさか朝帰りはないだろうが、終電は越すだろうな」
     祝い事が好きな彼女の性格を思い出しながらそう答える。
    「じゃあ気兼ねなく居座れるな」
    「そうしろ。俺はお前のために早く引き上げてきたんだから」
     今頃ジャンの友人たちは、主役不在の中で二次会でもして盛り上がっているのだろう。パーティーも、ジャンを祝うというより同窓会の様相だった。

     時刻は23時前で、高校生のような健全な時間に帰ってきてしまった。それもフロックに呼び出されたせいだ。
     フロックのことも他の友人たちと同じようにパーティーに招待したのだが、俺は行かないとキッパリ断られてしまった。ジャンはなんとなく断られるだろうとわかっていたから、「じゃあいつか一緒に飲もうぜ」と言ったが、パーティーの後2人きりで飲もうと即座に約束を取り付けられたのは予想外だった。
     フロックと約束したとはいえ、日付がまわる時間帯までは友人たちと騒いでいたかった名残惜しさもあり、フロックにそう告げる。
    「パーティー、楽しかったぞ。お前も来ればよかったのに」
    「そうか」
    「コニーやマルロも来てたぞ」
    「ふうん」
    「エレンとかアルミンとか……だいたい中学のメンツばかりだったし」
     フロックの知ってる名を挙げていくが、確かにフロックと懇意だったかと言われるとそうでもないかもしれない。ジャンとフロックが仲良くなったのだって、高校の頃からだった。交友関係が被らなくても無理はない。
     第一、フロックは人付き合いが得意そうに見えてあまり好きではないようだった。生来の気の強さと生意気さで相手から顰蹙を買ったり喧嘩に発展させてしまうこともあったジャンとは違って、中高時代のフロックは誰とでもそれなりに付き合っていた。しかしそれは、誰も自分のパーソナルスペースに入れないことと同義であった。フロックは誰に対しても同じように接し、必要以上の親しさを見せなかった。そしてどういうわけか、そのパーソナルスペースに招かれ、必要以上に親しくされたのがジャンである。

     フロックはジャンに酒の味を尋ね、美味いと聞くと嬉しそうに頷いた。もっと飲め、とまた注がれる。フロックのグラスの中身はコーラだ。ジャンは1人だけ酔いに耽る罪悪感を抱くも、かつてフロックに「ジャンが酔っている顔を見るのが好き」と言われたことを思い出した。
     そうだよな、フロックは俺のことが好きだよな。ジャンのこの実感は、酔っ払いの自惚れではなく、素面の時からあったものだった。
     だからと言って、それを口に出したのは、酔いが回っていたせいだ。
    「そうだよ、俺はジャンが好きだ」
    「ああ、そう」
     ジャンはさりげなく相槌を打つ努力をした。フロックの口から発される「ジャンが好き」という言葉に思いの外ドキドキしたことを悟られないように。
    「だから、明日の結婚式も行きたくない」
    「そんなこと言うなよ」
     フロックの呟きがどのような感情から引き出されるものか、ジャンは気付かぬフリをした。

     思えば高校の頃からそうだった。ジャンは脳みそにかかった酔いの靄を振り払いながら回想する。フロックに肩を抱かれる、腰を引き寄せられる、その一挙一動を意識していた。フロックがジャンを眼差す瞳の奥に宿る熱を知りながら、ジャンは素知らぬ顔で見つめ返した。フロックとの関係を続けるためだった。フロックのパーソナルスペースの中も、友人という曖昧で温い関係性も、ジャンには居心地が良かった。たとえその距離感がどれだけ近くなろうとも、奇妙であろうとも、フロックは大切な友人に変わりなかった。
     ジャンはフロックに右手を握られながら、岐路に立たされているのだと自覚する。今まで無視していたものに向き合う時が来たのだろうか。

     ジャンの頭の中に、どういうわけか、かつて付き合っていた彼女たちの顔が思い浮かんだ。多くもなく少なくもない数の顔。ちゃんと好きだった。しかし別れてからは全く関係が途絶えた。連絡先をブロックされたこともある。それから婚約者の顔。彼女のことは本当に好きだ。結婚したいと思っている。だが仮に破局したとして、友人として再度関係を構築できる自信はなかった。もしフロックと付き合って別れたら、やはり縁遠くなってしまうのだろうか。
     ジャンは、自分がフロックを好きかどうかの前に、フロックと付き合う未来について考えているおかしさに気付いた。そのうえ今は結婚式前夜だ。

     支離滅裂な思考を全て酔いのせいにしてもう一度グラスを煽ろうと思ったところで、右手がフロックにしっかり握られていることを思い出した。彼の体温をあらためて意識してしまって、ジャンの顔に酔いのせいではない赤みが差した。それを隠すように左手を伸ばしてグラスを持ち上げるも、酒が一滴も入っていないことに気付いた。
    「お前、ボトルの中も全部飲んだんだな」
    「ああ、いつの間に」
     俺はどうしてバカみたいな応答しかできないのかとジャンは呆れた。その間にもフロックはジャンの右手を握っている。ジャンの目を、その奥をじっと見つめている。
    「俺はジャンのことが好きなんだ、本当に」
     いつも飄々としているフロックが、珍しく苦しそうな顔をして、訴えるように呟いた。少し掠れた声が、ジャンの胸を打った。
    「ジャンが幸せならそれでいいと思ってた。けど、やっぱり、結婚してほしくない」
     駄々っ子のような、涙を堪えているかのような切なさを湛えて、フロックは続けた。
    「俺が結婚しても、別に遠くに行くわけじゃない。お前とはこれからも今まで通り一緒だろ」
     言いながら、本当にそうなのかと自問した。この告白を聞いてもまだ、今までと同じように付き合っていけるのか。ジャンが恐れていたことが、起こっている気がした。

     フロックは目を伏せて黙っていた。眼の色を隠すその睫毛を眺めながら、これも自分の招いたことなのだと思った。ジャンはフロックから受ける好意に浸って、密かに同じだけのものを返した。高校時代から続く歪んだ感情を純粋な友情と呼び、手放そうとしなかった。ずるずると引きずってきた擬似恋愛のような関係を、清算する時が来たのだろうか。ジャンはフロックと別れるのだろうか。

    「最後に、キスさせてくれ」
     最後という言葉にジャンの体が緊張した。
    「フロック……?」
    「最後にする、お前への恋は諦める。きっぱりただの友人だと思うことにする。だから最後に、キスだけさせてくれ」
     ジャンは「最後」の意味を知って安堵し、よく考えないままに頷いた。これで最後。フロックの眼差しを浴びるのも、それに知らぬフリをして甘えるのも、最後だ。けれどフロックと離れ離れになるわけではないのだ。フロックと一緒にいたい、離れたくないという執着とも言うべき気持ちを自覚して、ジャンは内心焦った。
    「いいのか?」
     もう一度聞かれて、ジャンは頷いた。これは勢いだ、自棄だ、酒のせいだ。腹の底の欲望を無視して、そう思い込もうとした。

     フロックは立ち上がって、右手でジャンの頬を撫でるようにとらえた。ジャンは思わず目を瞑る。
     キスはほんの数秒で、軽く触れるだけのものだった。目を開けば、フロックは晴れやかな顔をしていた。ジャンは一瞬の唇の感覚を反芻したが、たちまち湧いてくる感情を未練や心残りとは認めようとしなかった。

     ぼんやりと残ったままのジャンの理性は、たった今犯してしまった不義の肯定に励んだ。これからの結婚生活のために、ジャンはキスをしなければならなかった。フロックとの距離感をズルズルと続けてしまえば、いつかあらぬ仲に堕ちていたかもしれなかったのだ。方法は間違っていたが、清算は必要だったのだ……微笑するフロックの目に未練は残っていない。ジャンはやっと、「最後」の実感を得た。これでフロックとの関係は終わった。今度こそ、真に純粋な友人関係を築くのだ。

     急に睡魔が襲ってきたのは、緊張が解けたからだろうか。ジャンの瞼は突然重くなって、少し目を閉じれば眠ってしまいそうなくらいだった。フロックがジャンの体を支えて、ベットまで届けてくれた。フロックと体が触れ合っても、以前のように意識することはなくなった。
     枕元に立つフロックの顔を薄目で見つめた。視界がぼんやりと滲み、表情はわからなかったが、時折見せるあの優しい顔が瞼の裏に浮かんだ。
    「また、のもう。きょうは、ありがとな」
     そう言い残すと、すぐに寝に落ちてしまった。ジャンの耳が、フロックの呟いた一言を拾うことはなかった。

    「ずるいヤツ」




     フロックはジャンが完全に眠っていると分かっていながら言葉を続けた。
    「ワインに睡眠薬を仕込んだのは悪かったと思ってる。けど、もしお前がキスを拒んでいたら、俺はお前に二度と手を出さないとその寝顔に誓ったのに。明日の結婚式にも出席して、心から祝福してやったのに。それなのにお前は」
     フロックはジャンのシャツを破いて胸をはだけさせる。フロックはジャンに乱暴をしたことがなかったし、するつもりもなかったが、その手つきにはもはや遠慮がなかった。
    「ほんとずるいよ。お前やっぱり、俺のことが好きだったんだろう。こうされるのを待っていたんだろう」
     ギシリとベットを軋ませて、起きる気配のないジャンに覆い被さる。その唇に、首に、鎖骨に、胸に噛み付く。愛撫してやりたいと思った、口付けしたいほど大切に思っていた愛しい想い人の肌を、フロックは衝動のまま傷つけた。
     ふと壁にかけてあった時計を見上げると、針は0時半を指していた。日付は変わり、結婚式の日になっていた。
     この男は、夜が明ければ、結婚式を迎えるつもりだったのだ。
    「でも残念だな、そんな日は来ないよ、お前には」
     フロックはジャンの嫁が帰ってくるのを待ち遠しく思いながら、その唇にもう一度キスをした。数秒などには収まらない、じっくり味わうかのような深いキスだった。
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    PROGRESSジャンくんは6人組大人気アイドルグループの1人、フロックくんは同じ事務所の大人数アイドルグループの1人で最近ソロ活動に力を入れ始めて知名度上がってきたところ。ジャンくんも歌手・ダンサーとして足を固めようとしている段階で、この度記念すべき初のソロコンサートを開催…という設定。
    そのソロコンのお誕生日に開催された公演に来たオタクが書いたレポ、という設定……
    💞4/7 ジャンくんソロコン/〇〇アリーナ/お誕生日公演レポ/スタンド2列目💞幻覚のレポです

    セトリも衣装も今までの公演と変わらずで、曲の間にも特に誕生日の話はなし。あの子自分から言い出せないタイプなのかも…ってこっちがソワソワしてた。で、事件はMC入る前のメドレーで起こるんですけども!!

    初期曲メドレー中、めっちゃスタンド席にファンサ振り撒いてたジャンくん! 多分誰かの「バーンして」うちわを見てバーンしてたんだけど、その後他のいろんな方向に(たぶん無作為に)撃ちまくってて、機関銃かな?っていう連射を浴びた…昇天した…楽しそうな悪戯っ子の顔してて19歳愛おしい。
    かと思ったら、上方スタジオ際のアリーナ席の方ジーッと見てて、どうしたのかと思ったら急にそっちにも特大バーンをしてて。アリーナ側からは当然歓声上がったんだけど、その直後もっと大きな悲鳴になったよ…スクリーンに観客席のフロックくんが映ってたから…。
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