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    merukosu

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    merukosu

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    埋まっちゃったので。⑩協会のシンアルまとめ。
    書きなぐったものだから色々繋がってなかったりする

    「なー!あの小柄で金髪のやつ…こう、もさもさってしてて、ひよこみたいなさ〜多分男だと思うんだけど、ちょっと俺んこと紹介しといてくれよ〜会いに行くからさ〜?」
    「どっかの馬鹿なアホタレに何十回も自己紹介されるのは可哀想なので教えません。」
    「は??なに、どゆこと…?」
    「お前の頭に聞け」

    「やぁやぁそこのおにーさん、今日も髪の毛キマっててかわ………かっこいいね〜? どぉ? この後俺とお茶でもどうよ」
    「………はぁ………………。 どうしてまた僕の記憶を………、……。」
    「……? あれ? えっと……ごめん?」
    「……心当たりがないのに謝る癖、治したらどうですか」
    「おぁ……えぇ、あぁ……うん」
    「お茶…でしたっけ。 いいですよ、……何回でも……何度でも付き合いますから。」

    「…どうしてアルは僕の知識を使うんでしょうね」
    「………。 ………🐣くんは彼の評判を知ってますかぁ…?」
    「え…? まぁ……はい…。 とても強いって…それだけ勉強してるんだと…」
    「…違いますよぉ。 確かに…地頭はいいですけどねぇ。 他人にはそうそう出来ないことを…簡単にやってのけてしまうからですよ」
    「…? どういう…」
    「シンクレア君。 我々の強さは知識の重さ、そして重要さを糧にしてると言いましたよねぇ?」
    「はい…だからたくさん勉強して、日々精進しろって…」
    「生活に必要な知識を使った場合…どうなるか聞いたことはありますか?」
    「えっ…と………噂…程度には…?」
    「えぇ。 代償が大きい分、それは何にも負けることの無い拳へ、大きな一撃へ変わるでしようね。」
    「………………アルは」
    「…ほんと、酷い男だと思いますよぉ。 軽んじているんだか、それとも………それほど、辛いのか。」
    「…………僕はどうしたら、いいんでしょうか」
    「…さぁ? 二度と忘れたくないと思えるほど…めいいっぱい教えこんでみては?」

    「バカな男。 シンくんが可哀想」
    「んだよ、2人揃って……お説教かぁ?」
    「そうなりますかね。 そろそろ見てられないので」
    「べつに…気になったやつに声かけるなんて誰でもすんだろ、軟派したくらいでなにを…」
    「はー。 これだから厄介なのよね。 全部綺麗さっぱり忘れて。 録画でもするんだったわ。」
    「…アンタのことです、きっとわざとやってるんじゃないでしょうけど…にしてもタチが悪すぎる」
    「だから…軟派ごときでなんでそんな…」
    「では言い方を変えましょうか。 もし貴方がシンクレア君と仲良くなったとしましょう。 ある日あなたの事を何もかも忘れて、また初めから気恥しそうに話しかけて来たらどうします?」
    「はぁ…? ……オレあいつのことそんな知らねぇし…想像できねぇなぁ…………」
    「…じゃあアタシ達がそうなったら? 突然、初めまして〜って話してくるの」
    「んぁー……気持ちわりぃな。 覚えてねぇんだろ? …んー。 まぁ………なんだ、ちょっと……痛てぇな」
    「おや、素直ですねぇ。」
    「いや…だってなんかめっちゃおこってるし…真面目に返さねぇと殺されそうな勢いだぜ…?」
    「当たり前でしょ、アンタのしでかしてることに比べたら可愛いもんよ」
    「マァ、忘れられたら悲しいんですよねぇ? 全部、綺麗さっぱり。 昨日一緒に食べに行ったお店のことも、さっきまで話していたくだらない日常会話も、何もかも忘れられるんです。 貴方の存在が最初からなかったことになるです」
    「お、おう…………。 そりゃ……すげぇ…虚しいってか……悲しいよ…。 考えたくないくらいには」
    「貴方はそれを…ずっとシンクレア君にしているんです」
    「俺がァ…? ………ちなみに何回程…」
    「マァ10は超えてるわよね。 数えるのをやめるくらいには。」
    「………おぅ………。」
    「実感わかないとは思いますけどね。 次やったら一切関わらせないようにする予定でしたよ」
    「……シンくんがそれでもいいって言うのよ。 こんなことされて…普通顔も見たくないと思うケド」
    「……あいつがぁ…? ………正直いつもつまんなそうに話聞くから…そんな好かれてねぇと…ッタ、…叩くこたァない…だろ」
    「愚か者。 いっそ死ねばいいんじゃないの」
    「………はぁ。 捨ててしまったものを取り戻す特異点とかないんですかねぇ〜…全部思い出させて死ぬほど後悔させたいんですけどぉ」
    「悪かったよ…………。 んで……俺はどうすりゃ」
    「どんなに辛くとも、逃げたしたくとも、必ず向き合って逃げ出さないことです」
    「…………」
    「次したらアタシ達が責任もって殺してあげるわ。 ついでにシンくんも記憶処理しましょ」
    「いいですねぇ。…きっと彼は、泣いて嫌がるでしょうけど」
    「………わぁったよ………やってみるから」
    「やってみるじゃなくて、必ずやります、でしょ」
    「ほら、ハッキリとどうぞ」
    「……必ず…やります…………。」
    「「よろしい」」

    脳裏でキラキラと輝いて、いつまでも褪せずに再生される記憶を見ていた。一目惚れ、と言うやつだったと思う。あのふわふわとしていて、小さくて、光に照らされて金色にひかるそれがあまりにも美しくて。
     ふと目が合って、どこか悲しそうに…次第に泣き出しそうなくらい顔を歪めて、なのにそれでもかわいらしくて…綺麗だった。だから声をかけたんだ。いつもやるように。あれ、でも俺軟派なんてやったことあったっけな。分からない。でもスルスルと言葉が出てきて、その度に歪んで行く顔が不思議で仕方なかったのは覚えているんだ。
    「…どこに連れてってくれるんですか?」
     そう言われて、そういや何も考えてなかったなと首をかしげた。なんでだろうか、そう言うべきだと…あぁ、あのカフェオレが美味しいお店に連れていきたい。あそこで毎回、不人気のほうじ茶ラテとラズベリーがふんだんに使われたタルトを頼んで、そうしたら誰かが「面白い組み合わせだね」って笑っていて。セパルかフェイのどちらかだったか…2人以外だった気もする。
    「コーヒーが美味い店があるんだ、そこでもどうだ?」
    「………うん。 きっと…僕も好きなお店かも」
     へにゃりと眉を下げて、いつまでも悲しそうに話。断らないってことは嫌いでは無いとは思うが…嫌ならはっきりいって欲しい。なんだか悪いことをしているようじゃないか。いじめてるみたいなさ
    「やなら断ってくれていいんだぜ? 怒ったりしねぇからよ」
    「……………。 ……はは」
     ほろり。みるみるうちに崩れて、ぼろぼろと涙が溢れ出した。彼は手袋をしたまま拭うから、ぜんぜん掬えなくて、そのままびちゃびちゃと頬を濡らしている。
    「お、おい……泣くほどやなら……」
    「いやなわけ、ないじゃん。 ないんだよ、だって、だって、あると、あると初めて行った、うぁ、あぁ、」
     彼は崩れ落ちて、そのまましばらく泣いていた。時々溢れる"アル"と呼ばれるだれかさんは、何故か他人の気がしなくて。俺のあだ名だからか、なんなのか。ずっと、俺を指しているような。
    「う、ひぐ……ふっ……どうして、どうしてわすれちゃうの。 ぼくは、ずっと、きみの、おぼえて、きみと、すきだって、こんなのあんまりだ。 なんで、いつも、そうやって…いつも、ぼくをみつけるから、ぼくに……おんなじめを、むける」
    「……」
     見たことがあるきがした。この顔を。何回も。だけど肝心なところは思いだせない。ずっと、なにもない。白く塗りつぶしてしまった…大事な絵を、塗ってやぶいて、それで………。
    「ごめん、ね。 わかんない…もんね。 すきだよ、アルフォンスくん。 ぼく、ずっと、きみがすきだよ」
    「……えっと…………」
    「一目惚れ、でしょ? なら、おたがいさまってことで、いいじゃん、…ね、」
    「……それは」

    パチリ。拳を振り上げ、黄色い閃光をはなった瞬間、全て白くなった。あれ、今何を考えていたんだっけな。あぁ、でも、目標はご覧の通りコテンパンに潰したし。なんの問題もないか。

    アルはまた全部忘れて帰ってきた。セパルさんの言う通りだ。アルは僕との記憶を、思い出を、知識を糧に、今日も生還する。彼が生きていてくれるのはとても嬉しいし、死なずに居てくれるだけで、なんて綺麗事。本当はずっと、許せないし、怒りたいし、そういうことをするアルは嫌いだ。憎いとも思った。だって、あんなに愛おしそうに笑って、僕の嫌いな、僕が好きになれないところを好きだって笑ってくれて、すごく嬉しかったことを…覚えていない。
     普通、知識と言ったら勉強したこととか、専門的な知識とか、研究したこととか、そういう…頭を使ったことを消費して戦うはずなのに。普通なら、想い人のことを使って戦うなんて…考えもしないのに。だってそうでしょ?本来なら忘れたくないって縋って、大事に覚えておくはずのものなのに。でもアルは…それ躊躇しなくて。最初の戦闘は凄かったらしい。新人だからって捨て駒みたいな使い方をする人に連れていかれたのに、何もかも薙ぎ倒して帰ってきて、ケロッとしていたって。そんなことしたらしばらくは日常生活に支障が出るはずなのに、一体何を糧に、とんでもない奴を連れてきたって話題になったんだよ。だから気になってみんな観察したし、色々話にも聞いた。たぶん、あれは家族の記憶を犠牲にしたんだろって…結論が出た。定かじゃないけど、アルから家の話とか聞いたこと無かったから…多分そうなんだと思う。
     無敵の、最強の格闘派。そんな異名が知れ渡って、僕と出会って、そうして、そう…して。
     …………僕はどうしたらいいんだ。どうしたら、忘れないでくれるんだよ。ねぇ。……僕だけ、アルとの思い出、すてらられないの、だめなことかな。
     ………あぁ……また……。はじめまして、……アルフォンスくん。

    「これ、なんだと思いますか?」
    「……得体の知れねぇ…ヤバそうなクスリ」
    「えぇ、まぁ合法ではありません。 バカ高かったんですよ」
    「はぁ…………おれ、多分ちゃんと忘れてねぇよ……🐣のこと、覚えてるし…昨日も…ご飯食って…また泣いてたよ」
    「まったく聖母のような方ですね、彼は。 …むしろ、そこまで入れ込ませるあなたを恐るべきでしょうか」
    「…なんもしてねぇよぉとは…いえねぇんだろうなぁ」
    「えぇ、何食わぬ顔で言ってたら思いっきり殴ってました。 先程仕入れた知識でね」
    「こわ……んで、これなんなんだよ。 なんかうにょうにょうごいてるし………気持ち悪…グロい」
    「これはシンクレア君から貰ったあなたとの記憶の少しです。 5、6回分って所でしょうか」
    「ついにヤバそうなのに手だしたな…シンクレアは大丈夫なのかよ」
    「まぁ、ちょっと負担のかかる記憶処理みたいなもんですかね。 しばらくは頭痛と倦怠感があるそうですけど」
    「…そうかよ。 …マー…俺のせいなんだろうな」
    「ええ、そうです。 貴方に少しでも痛い目見てもらうために協力してもらいました。」
    「おぉう…てことは……飲めと」
    「はい。 いつものアルコールみたいに、グイッと」
    「そんな…イッキしろみたいな…」
    「ほぉら、イッキ、イッキ」
    「やれなんて言ってねぇよ…はぁ…………。………んぐ……うっ……ぐ……ぉえっ………っは、………はぁ……ぅえ………ヴッ、ア……ハァッ………ア"ッあ、あ"ぁ"っ、」
    「…言い忘れてましたが、他人の経験を飲ませるんです。 それなりに拒絶反応でますからね。 聞こえてないでしょうけど」

    ぬるりと、脳みそを鷲掴みにされながら得体の知れない何かを塗りたくられている感覚に襲われる。どっぷりと視界を赤く、黒く、次第にバチバチと聞こえては行けない音を立てて映像を映した。
     すこし目線より高い位置に自分の顔が見える。時折目に覆いかぶさって、少し邪魔な髪の毛を指でどかした。
     声がする。自分の声じゃない、シンクレアの声が喉から鳴って、あまり聞きなれない…少し低めに脳に響いた。
    「あのね、僕もここ好きなんですよ」
    「お? 奇遇だな。 趣味も会うなんて運命みたいじゃね?」
     ちょっぴり、胸が痛かった。これまた聞きなれない自分の声を聞く度に、ジクジクと胸が針に刺されているようで。苦しかった。息を吸っているはずなのに、全然満たされない。
    「…うん。 そう、ですね。 まるで…何度も繰り返してるみたい」
    「? そうか? あ、もしかして昔の恋人もこんな感じだったのか? なんか妬けちゃうな〜」
     思わず違う!と、声に出したくなった。けれど、ひんやりと舌が空を舐めるだけで、喉からせり上がる怒りはゆっくりと心臓を早めた。
     目尻がとても、熱かった。
    「……そんなこと。 いたこと、ないですもん。 ……アル以外に。」
    「え、ごめん、よく聞こえなかった。 以外に?」
    「…うぅん。 なにも。 なんでもないですよ」
     せぐりあげる嗚咽は、何処までも目の前の俺には届かない。馬鹿みたいにケロッと首をかしげて、憎たらしいほどに愛しそうな目を向ける。
     これなら、俺を見つけずにいてくれたらいいのに。そう、思った。

    ガンッ。一際大きな音が鳴ったかと思えば、酷い頭痛に目が眩んだ。ぼやぼやと形を保てず消えていく映像は、変わらず無垢な目で俺を見ていた。
     夢から覚めた時のような浮遊感。1歩遅れてやってくる痛みは、思い切り頭を机にぶつけてしまったらしい。揺れる脳みそを必死に動かして、吐きそうなほどの感情を噛み砕いて呑んでいた。
    「…いかがでしたか」
     じとりと冷えた目で俺を見下ろすセパルは、ほんのりと心配が混ざった声音で問う。ひゅっと息を吸って、最悪だよとでも答えようと思ったのに。溢れ出るのは嗚咽だけで、みるみるうちに熱く瞳を濡らして零れた。
    「…シンクレア君は…これの何倍もの痛みに耐えているはずです。」
     咎める声は優しくて、俺たちを本気で案じているのだと分かる。普段はそんな素振りも見せず、淡々と仕事をして、たまに飯でも食いに行って。なのに人一倍人情に厚く、よく人を見ている奴だ。
    「辛いでしょう。 …貴方が…何度でも彼に惚れなければ…それで終わりだったはずなんですけどねぇ」
     ゆるり。目元が緩んで、綻ぶ笑みは愛嬌があった。そんな目を向けるほど、想いがあるというのに。それでもお前は、いいや、だからこそ、なのだろうか。
    「さぁ。 俺からの仕返しは以上です。 あまり辛い様なら介抱しますが。」
    「…いい。 このままが、いい」
     詰まる喉から出た声は何故か懐かしく、深く記憶と同期していたのだなと思った。
    「そうですか。 …もう出来ないとは思いますけど、二度とやらないことです。 あと……私が言えたことではありませんが、今後はしっかり勉強するように。」
     そう言ってセパルは席を立つ。告解室の仕切りをおろし、カチャりと扉を閉める音を最後に静寂に包まれた。
     後悔ばかりだった。何度もシンクレアの記憶を、経験を、知識を捨てた理由。見当はつく。自分のことだ、本気になるにつれ逃げ出したくなったのだろう。あの無垢でかわいい生き物を汚したくなかったんだろう。好きだから、愛してしまったからこそ…俺にはその資格がない。
     ……なぜそう思うのだろうか。思い出せなかった。…そうやって、繰り返しているんだろうか。覚えていないだけで…なにか、魂に刻まれるほどの強い恐怖があるんだ。身が冷えて、血の気がずるりと引き抜かれるような、酷い恐怖が確かにあった。
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