醜い俺を嫌になる。
どうして、こんなことを考えてしまうのだろうか。
「無事今日の依頼を達成しましたね!」
稲妻には今日も、キャサリンの明るい声。空はありがとう、といいながら報酬を受けとる。いつも通りの光景、そして日常だ。ただし…これは表の話。
空は最近、どうしようもなく嫌なことがある。
それは自分の考えてしまった、あることについて。
こんなこと、考えるなんておかしい。非常識だ。やめてしまおうと思うのに、蜘蛛の糸のように絡み付き、空の脳から離れない。
―あの時、万葉が俺を雷電将軍の一太刀から助けてくれたのは…
俺を助けようとしてたんじゃなくて、俺の姿を親友と重ねていたからじゃないのか?―
いつかの夜、それは、何気なくあの日のことを思い出していたときにふと現れた。
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