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    つき草

    @commelina293

    今日も1日1ライン☆
    ワンクションは全裸女装にょたのいずれかになります。

    よろしくお願いしますm(_ _)m

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    つき草

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    今年もよろしくお願いします“(. .*)
    シュルライの気持ちで書きました。ぜんぶ終わったあとのおはなしだけど最終作未プレイでも大丈夫かも?(ネタバレはあります)

    よろしくお願いします。

    tir 'ir nor「おう、お疲れ!」

    気がついたら目の前には、ラインがいた。
    かつての姿であったが、見たことのない服を着ている。
    シュルクはあまりにも唐突な展開についていけず、立ちすくんだままでいる。

    「どうした?」

    足が低く布団をかぶっているテーブルに座っていたラインは、床へ手を当てて立ち上がろうとした時。

    「……それって部屋着?」

    ようやく出た言葉は、自分でも笑ってしまいそうなほど「あの頃」と変わっていなかった。

    「そうだぜ! 緊急で呼び出される事もねェから、仕事が終わったら朝までゆっくりできるし」

    ラインの返答も、時間の流れをまったく感じさせなかった。

    「最初は慣れなくて 脱ぎそうになったけどな」

    同じ街で暮らしていた時に何度も見たその笑顔は、とても久しいものだった。
    シュルクはラインの座るテーブルへ近づく。
    ラインは立ち上がるのをやめたのか、布団の上に両手を置いた。

    「そういえば防衛隊は 寝間着なかったんだよね」
    「おう。俺はあっちの方が慣れてるから 寝る前になんか着る方が 違和感ありまくりでさ」

    ラインの斜向かいには「座ってくれ」と言わんばかりにクッションが置かれている。
    シュルクが足元を見れば、いつの間にか素足になっていた。
    ──と同時に、自分もラインと同じ年頃の姿である事がわかった。

    「‥ま、カルナとパナセアの事を考えたら 家の中をパンツだけでうろつくワケにはいかねぇし」

    突然みせる親の顔に、シュルクは胸が痛む。
    今の顔をみられたくなくて、必要以上にうつむいてからクッションへ座り、布団をめくって両足を入れた。

    (僕は)

    折りたたんでいた足を伸ばすと、ラインの足へ当たる。

    「シュルク?」

    黙り込んでしまった自分を、心配しているのだろうか。
    少し上ずったその声へ、つい顔を上げると。

    「……ずっと……」

    眉尻を下げ、困ったような悩んだような顔をしている。
    瞳も潤み、揺れているように見えた。

    「?」

    ラインはシュルクの意図を理解出来ていないようで、表情はそのままでわずかに首をかしげる。
    自分を第一にしてくれる優しさは、今も昔も変わらなくて。
    その気遣いに、いつしか惹かれていた事へ気づいた時には。
    ラインも、自分も。想いを告げることができない立場になっていた。

    「ねえ ライン」

    縋るような声だった。
    しかしシュルクは構わず続ける事にする。
    ラインは驚いたのか、布団から手を離して驚いているような表情になっていた。

    「僕がラインを好きだったの、気づいてた?」

    ラインは布団から手を離すと、何かを考えようとする時の表情へ変わっていく。
    この場所はラインの言いよどむ小さな声が聞こえるほど、静かだった。
    シュルクは言い終えた後口を閉じて、ラインを見つめる。
    それは「ラインの答えを聞くまで話さない」という固い意思表示だった。

    ラインのシュルクの意思を、理解しているようだった。

    鼻に指を当て、眼球を左右に動かしている。
    瞬きの回数も多いところから、シュルクにはラインが言葉を選ぼうとしているようにみえた。

    「……知ってた…っつぅか。『もしかしたら』って気持ちは ちょっと あった」

    普段より、弱弱しい声に。
    目を合わせようとしない、顔の向きに。

    シュルクは不思議と今ここにいるラインが「アルヴィースを媒介にして作られた幻」ではない事に気づいた。
    (あまりにもあり得ないから、またあの時と同じ 僕に都合のいいラインだと思ってたのに)

    「…本物、だったんだ」
    「?」
    「なんでも ない」
    「? そうか?」

    短い言葉を交わすだけでも、ラインの気分は落ち着いてきたようだ。
    ラインはシュルクと目を合わせてきた。
    「いつから、ここにいたの?」
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