あの日、私には全てを破壊しながら突き進むバッファローが必要だった。私には三分以内にやらなければならないことがあった。
遺書を書かなくてはいけない。
こってり鶏白湯スープのカップラーメンにお湯を注ぎながら、突然思い立ったことである。
遺書を書いて、そして、カップラーメンが出来上がったらわき目も振らずそれを啜って、食べ終わったら投身しよう、そう思い立ったのである。
別に前々から考えていたわけではない。ただ、休憩室のポットのお湯が出にくいのをいじっていると、なんだか湯気のようにもうもうと、「あ、飛び降りよう」と思ったのである。
休憩室には、私以外いなかった。一日に行う仕事内容が一人一人違うので当然と言えば当然だが、驚くほど休憩が被らない。カップラーメンを外のコンビニで買い、戻ってきたときに先輩の男性とすれ違ったくらいである。
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