不凌忠仁が傀逅に行ったら妄想SS ~相棒が鵜久森杜人・編~この二次創作SSは、むつー卓『狂気山脈第5陣』のネタバレ、また『傀逅』シナリオの展開バレがあります。
セッション未視聴の方や、『傀逅』シナリオ通過予定の方はお読みにならないでください。
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杜人の大事な人は師匠。
忠仁の大事な人は主君。
そして、杜人がハリケーンで忠仁がコンバスチョン。
物語前半は、ほとんど忠仁の活躍で勝つような戦闘が続く。
街の人たちを積極的に救い出し、時に自暴自棄になっている人に対して、優しい言葉をかけるのも忠仁のほう。
口数が少なく、周囲とかかわりを持ちたがらない杜人に、忠仁は言う。
「俺たち3人はチームだ。世界のため、共に闘うぞ」
「3人?」
「俺とお前とコイツだ」
「それはロボットだぞ」
「仲間は多いほうが心強いだろう」
「・・・(理解できない)」
しかし後半に入り、戦闘をずっと引っ張っていた忠仁がロスト。
(SAN値ロストではなく死亡)
相棒を失って初めて、ひとりで闘うことの途方もない心細さを痛感する杜人。
最終決戦は、当然大苦戦を強いられる。
倒れるハスター・クトゥグァ。
その耳に、応援する街の人の声が届く。
『忠仁、お前は彼らの中で生きてる』
ハスター・クトゥグァは再び立ち上がる。
死しても蘇る、不死鳥のように。
「・・・僕は、死なない」
歯をくいしばり、奇跡のような連続攻撃を成功させた杜人は、勝利を掴むのだった。
エンディングは、主君と杜人の会話。
「忠仁は、ヒーローとして闘ったんですね」
「夢物語みたいで、とても信じてはもらえないかもしれませんが」
「信じます。忠仁は、すごい魔法使いだから、みんなのために闘わなきゃいけなかったんだろうなって思います」
「はい。彼は、強くあなたを想う、とても立派な魔法使いでした」
「もう、忠仁はいないんですね」
「・・・います」
「え?」
「あいつはここにいます。だって、この世界を守ったのは、あいつなんだから。この世界のどこにだって、あいつはいるんです」
杜人の言葉に、涙を浮かべ微笑む主君。
「・・・そっかぁ。なら、寂しがることなんて、ないですね」
そして主君と話した帰りの商店街で、杜人は見つける。
自分たちの仲間の姿を。
『任務完了。オ疲レ様デシタ』
そうか。
「お前の中でも生きてるんだな。…お疲れ様」
おしまい
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忠仁が渡したバトンを引き継ぎ、勝利する杜人。
自分には必要ないと思っていた、仲間の大切さを知り、彼は生きていくのでしょう。