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    *しあ

    @tkxxx_ShiA

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    *しあ

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    2年は前に書いた炭鬼舞ネタ。とある相互さんにふと見せたきり忘れていたのを、その方に漫画にしたいと言われて存在を思い出し、少し修正をかけたおふざけ有りのショートショートです。

    留守番「炭治郎?居ないのか」

     城の障子戸を潜り、とある宿の一室へと足を踏み入れた私は辺りを見回した。

     炭治郎は単独任務時、私が訪れても良いようにと藤の花の家でなく一般の宿に泊まる。
     この部屋に居るのは鳴女の血鬼術で確認したのに、先程の今で何処かへ行ったのか。

    「厠か?……ん」

     ひとしきり見渡した後にふと目を落とすと、敷かれた布団の枕元にある市松模様が目に入った。

    「……」

     徐に掛け布団の上へ腰掛けつつ、丁寧に畳まれた羽織を引き寄せる。
     顔を埋めると、持ち主の香りが鼻腔をくすぐった。

    「……早く来い」


       ◆◆◆


     宿の風呂で汗を流し、浴衣に着替えて借りた部屋へ向かう。歩みを進めていく内に、ふと知る匂いが鼻を掠めた。

     ああ、来ている。

     向かう足は早まり、匂いが近くなる。
     出迎えることが出来なかったなと思いながら襖に手を掛け、勢い良く開け放った。

    「来てたんだな無惨!待たせてすまなかっ、た……」

     そのままの体勢で思わず固まる。

     目線の先には、布団の上に寝そべり、自分の羽織に顔を埋める想い人がいた。
     均整の取れた体を丸める様は、育ちの良い黒猫を思わせた。羽織を両手で引き寄せて目を閉じる姿は、大切な人形を抱き寄せて眠る少女にも見える。
     見入っているとゆっくり瞼が開かれ、鮮やかな紅梅色と目が合った。

    「……風呂か。私を待たせるとは全く……炭治郎?」








    「据え膳食わぬは男の恥‼︎いただきます‼︎」














    やり直し



    ◆◆◆



    「……風呂か。私を待たせるとは全く……炭治郎?」
    「あ……いや、悪かったな」

     こちらを見つめて微動だにしない少年に呼びかける。
     思い出したかの様に動き出した炭治郎は、私と視線は合わせたまま。後ろ手にゆっくりと襖を閉めると、何処か切羽詰まった様な表情でこちらへと近付いてくる。
     何となく起き上がる気になれずそのままの体勢でいると、屈んで顔を近付けてきた。

    「……無惨。俺の匂い、好き?」
    「…そうだと言ったら何だ」

     素直に答えてやれば、炭治郎は耐える様な表情のまま頬を染める。と思うと、鼻から下を覆う羽織を引き下げてきた。
     口元から離された羽織の代わりに、風呂上がりの石鹸混じりの匂いが鼻をくすぐる。

    「嬉しいよ、凄く。俺も無惨の匂い好きだ。……俺の匂いと混ざった時も」
    「、ン」

     言い終わるが否や、噛み付く様に口を吸われた。羽織を手離し、目の前の頸に腕を回せば口付けは更に深くなる。

     匂いも含め、混ざり合うのは確かに気分が良い。己の匂いを身に纏わせる事で、互いの独占欲も満たし合っている。

     私の仕草や言葉一つで感情を波立たせる様に満足しながら、性急に着衣を寛げる手の動きへと身を委ねた。








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