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    tobiranomuko

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    tobiranomuko

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    恋する人魚は洗面台で溺死する4(アキデン前提吉デンR18)暴力表現、リョナを匂わす表現があります。蛸友情出演。

    一通りのことを済ませてヒロフミは帰る準備をする。帰ろうとするヒロフミにデンジは紙袋を手渡した。受け取ると少しだけ重く唐揚げの匂いがしてくる。
    「唐揚げとヒジキの煮物作りすぎたから明日の朝食えよ。タッパまた返しに来いよな。これしかねぇんだから」
    「えっ」
    「あっ、学校で返すなよお前のことが好きな女子たちに何か言われるのやだし…」
    はじめてのことだった。夕飯を食べて帰ったことは幾度かあるが手土産を渡されたのは初めてのことでヒロフミは動揺する。返しに来い、ということはまたデンジの家に行っても良いということ、とヒロフミは解釈した。
    心臓が五月蝿い。顔が熱くなる。
    初めての出来事にヒロフミの気分は高揚としていた。
    デンジがどうしてここまで自分に尽くしてくれるのか。勉強を見た礼のつもりだろうか。礼なんかしなくてもいつでも見てあげるのに、デンジの為なら人も殺せるとヒロフミは心のなかでずっと独り言をブツブツと言っていた。
    「ありがとう。明日食べるね」
    「おう」
    デンジの後ろで犬たちと戯れながらヒロフミを見ていたナユタ。ヒロフミはナユタと目が合う。デンジに見せる無邪気な顔はどこにもいない。感情のない目でヒロフミを見つめる。それでもヒロフミは笑みを崩さなかった。
    扉を閉めてアパートの階段を降りていく。

    二十時頃だ。外は快晴で月がよく見える。ヒロフミは気分良く自宅へと足を進めて行った。
    悪魔が気配を殺して背後から迫ってきている。
    ヒロフミを手にかけようとする。

    「蛸」

    後ろを振り向きもしないで印を描くと足元から勢いよく蛸の足が出てきた。悪魔の本体を締め付けて潰す。
    悪魔の気配が消えた。

    何の悪魔だ。

    ヒロフミは後ろを振り向く。血痕が地面に残っているだけで姿形は何も残っていなかった。
    確かに悪魔を倒した。だが簡単すぎる。何の悪魔かもわからないままヒロフミは倒してしまった。

    警戒はしておくか。

    ヒロフミは再び歩き始める。
    月が綺麗な夜だった。

    ***

    ヒロフミはデンジをベッドに押し倒していた。嫌がるデンジの手首を強く掴み白い首に噛み付く。血が滲むほどに歯を立て流れ出る血を舌を出して舐め上げる。
    「いてぇっ、吉田っ、離せっ離せってなぁ、よしだぁ…やめ、やだ…やだってば…」
    抵抗が強くなっていくデンジ。蛸の足で両手を上にあげて交差し拘束する。デンジとヒロフミの腕力の差は歴然としていた。身長も体重も体格も身体的なことは全てヒロフミの方が勝っている。ヒロフミがデンジを力でねじ伏せることは容易であった。
    デンジのズボンのベルトを外し留め具とファスナーを下ろした。下着と共にズボンを一気に下ろす。デンジが履いているズボンと下着を脱がせ床に投げる。足を閉じれないように蛸の足でデンジの両足を拡げさせた。デンジの陰茎と菊門がヒロフミには丸見えである。みるみるうちにデンジの顔が赤くなっていく。デンジは逃げようとするが四肢が拘束されている為出来ることと言えばヒロフミを罵倒することだ。
    「テメェふざけんなよ…こんなことして…んぐっ、」
    罵倒しようにもヒロフミの掌で口が覆われてしまい喋ることすらも出来ない。ヒロフミの大きな手がデンジの小さな口を塞いだ。ヒロフミを睨みつける。羞恥と怒りで目に涙を浮かべている。その眼がヒロフミにとっては興奮材料であった。デンジを支配している、という高揚感がヒロフミの陰茎を熱く固くさせた。
    「デンジくん…ねぇ、好きだよ…好き…大好き…」
    ヒロフミはデンジに想いを伝える。
    可愛いデンジ。
    愛しいデンジ。
    大切なデンジ。
    ヒロフミはデンジにありったけの愛をぶつける。
    デンジは何も言わずヒロフミを睨むだけだ。
    「デンジ君…怖い顔しないでよ…ごめんね…」
    ヒロフミの胸は締め付けられた。こんなにも愛を伝えているのにデンジに何も届いていない。
    デンジの涙を見てヒロフミも涙が零れそうになる。

    俺はデンジ君が大好きなのに、デンジ君は俺のことが好きじゃない。

    ヒロフミはデンジの口から手を離した。デンジに嫌われることが怖かったから。

    「オレはアキが好き。これからもずっと…アキだけが好き」

    息が止まる。
    心臓が止まる。
    世界が止まる。

    デンジの頬を思いきり平手で叩いた。
    手のひらに痛みが走った所でヒロフミは自分がデンジの頬を叩いたことに気づく。
    デンジを見下ろす。口の中を切って血が出ていた。ヒロフミを無言で睨みつける。
    後悔よりも先に怒りがフツフツと湧き上がってきた。

    どうして
    俺を見てくれないんだ
    早川アキの記憶がなくなるまで殴り続ければいいのか。平手じゃなくて拳の方がいいか。
    頭をかち割って脳みそを取り出せば全ての記憶が飛ぶだろうか。
    俺のこともわからなくなるか。いや、最初から俺のことで頭をいっぱいにすればいい。
    デンジ君の脳みそ、食べちゃおうか。
    なぁ、デンジ君…。
    記憶なくなるまで殴って、頭かち割る前に…デンジ君を味わいたいな。


    ヒロフミがズボンのベルトを外す。留め具を外してファスナーを下ろした。勃起した陰茎が姿を現せばデンジは目を見開き逃げようとする。蛸の足はデンジの四肢をより強い力で拘束した。四肢が千切れる程の力にデンジは胸のスターターロープも引けない。出来ることは汚い言葉をヒロフミに浴びせることだけだ。
    「ふざけんなよってめぇっこんのイカレ野郎」
    ヒロフミは口を塞ぐようなことはしないで勃起した陰茎をデンジの乾いた菊門に宛てがった。デンジの身体が強ばる。
    「やめっ、てめ、やだっ、やだって…」
    「大丈夫でしょ…だって大好きな早川さんと沢山セックスしてきたんだからガバガバなんだろ…」
    ヒロフミの陰茎はデンジの菊門を容赦なく貫いた。
    デンジの泣き叫ぶ声が心地好い。無理矢理貫いた故に菊門は血塗れだ。抜き差しを繰り返す度にデンジの声はどんどんと悲痛なものになっていく。デンジの泣き叫ぶ声でヒロフミの勃起した陰茎は硬さを増していき腰の動きも早まる。

    「あき、あきぃっ、うっ、うぇぇぇん…うっ、うぅ…あきぃ、あきがいいのにぃ…」

    鼻水を垂らして涙でグチャグチャな両目…。あんなにヒロフミに汚い言葉を浴びせていた口はもう死んでこの世にいない最愛の男の名前を呼んで泣いて縋っていた。

    「アキ、アキ、アキ、アキ…五月蝿いな…なぁ、もう黙れよ」

    ヒロフミはデンジの口に目掛けて拳を振り落とす。

    ***

    目が覚めた。
    真っ暗な部屋。ここはヒロフミの自宅の寝室だ。
    ヒロフミはゆっくり起き上がる。寝間着の為に着ていたTシャツが汗ばんでいた。
    「夢…」

    なんて夢見心地が悪い。
    なんだ。あの夢は。

    目覚まし時計を見ると夜中の三時頃だ。覚醒してしまったヒロフミはベッドから降りてシャワーを浴びにいく。
    終わるとボクサーパンツを履いただけの姿でキッチンへ足を運ぶ。
    冷蔵庫から2ℓの天然水を取り出してキャップを開けてラッパ飲みをする。勢い良く飲んだから胸に冷えた水が零れてしまう。

    なんだあの夢は。

    暴力でデンジをねじ伏せようとしていた。早川アキの名前を呼んだ瞬間に理性が飛んだ。

    「俺の願望か…」

    ヒロフミは冷蔵庫を開けたまましばらく頭を抱える。冷蔵庫からピッーという音が響いた。


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