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    ほむら

    @rietokota

    SD右花メインの小説置き場です。
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    ほむら

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    流→花←仙でバチバチ牽制し合っているお話。

    #仙→花
    #流→花
    #三→花

    おまえはどうしたい?多分、
    いや絶対に

    見間違いなんかじゃない
    見間違うはずがない
    アイツかバスケを始めた日から毎日のように見てきたアイツのフォームが

    おいそれまるで仙道みてーじゃねえか
    なんで急に…

    そんな疑問が沸々と湧き上がる。
    アイツは嫌がってたけど安西先生からの指示で「流川君をよく観察するように」と言われていたせいか、そのプレイはオレのそれと少し似ていた。
    実はそれがちょっと嬉しかったりしたのに
    それなのに。


    トイレで顔を洗って少し遅れて部室に戻るとセンパイとアイツの話声が聞こえてきた。

    「花道最近スタイル少し変わったよな?」
    リョータが流川と同じ疑問を投げかける。
    「そうか?自分ではよくわからん、天才だからな。ナハハ」
    「今まではやっぱ少し流川っぽかったけど最近はなんてゆーか…アイツ思い出す、仙道」
    「あー、最近休みの日にセンドーとバスケやってんだ。だからかな?」
    「え?お前仙道と会ってんのかよ」

    は?なんだそれ
    なんで仙道とどあほうがわざわざ休みの日に会ってんだよ
    流川はワケのわからないイライラに苛まれる。

    「おうよ。この前病院の帰りに見つけたバスケコートで釣り帰りのセンドーとバッタリ会ってよ。そっからたまに休みの日にワンオンやってんだ」
    「ほんとおめーのコミュ力鬼だな...ケガ治ったばっかなんだからあんまムリすんなよ。あと仙道に迷惑かけんなよ」
    「リョーちん、この天才がメイワクなどかけるはずなかろう」
    「だといいけど」
    とちょっと呆れたように笑う。
    「あ、流川!お前早く着替えちゃえよ。鍵閉めらんねーから」
    「ッス...」
    オレが戻る前に着替えておけよと一言残してリョータは部室を出て行った。


    「おいおめー仙道と会ってんのかよ?」
    「あ?ぬすみ聞きかキツネめ、テメーには関係ねーだろ」
    確かに休みの日にコイツが誰と会おうが何をしようがそれはコイツの勝手だし、オレがとやかく口出しすることではない。
    そんなことわかってるけど。
    オレの知らないところでコイツが他のヤツと、
    しかもあの仙道と会ってると思うと心臓の辺りがモヤモヤする。
    「会うな」
    「はっ?なんでんなことオメーに命令されなくちゃなんねーんだよ!」
    ちょっとイラつた顔で流川を見る花道。
    「会ってほしくねーからだよ」
    「ほぅ、さてはこの天才バスケットマン桜木がお前を追い越しちまうと恐れ慄いているのダナ」
    ニヤリと得意げな顔の花道。
    「んなわけねーだろどあほう」
    「なんだとっ!」
    流川と花道、話せばいつもケンカに発展する。

    「おめーら何してんだよ!」
    ケンカ開始とほぼ同時に鬼キャップのご帰還。
    「流川、オレが戻ってくる前に着替えとけっつったろ!」
    大目玉を喰らう2人。
    おらさっさとしろ!とリョータに尻を叩かれ急いで部室を後にする。



    あんなことがあってから数日
    今日花道はIHの時に追った背中のケガの経過観察で病院に行くため部活を休んだ。

    何故かはわからないが最近気づけば四六時中花道のことばかり考えいる。
    先週も仙道と会ったのか?今週も会うのか?
    なんで仙道なんだよ
    バスケすんなら仙道じゃなくセンパイたちでもいいじゃねえか
    なんならオレとだって…

    そんなことをとりとめもなく考えながらボーと自転車を走らせていたらいつも使っている近道が工事中のため通行止めになっていた。
    めんどくさいが別ルートで帰るためやむなく方向転換する。
    こっちの道は近道に比べると飲食店やスーパーがあるため人通りも多く自転車だと運転に気を遣う。
    いつもより気を引き締めて運転していると一瞬目の端が『赤』を捉えた気がした。

    「え…?」

    急ブレーキをかけてその方向に目をやるとカフェの窓際の席に並ぶ花道と仙道の姿。
    2人で何やら楽しそうに話している。

    なんであいつら一緒にいるんだ?
    それに…
    アイツあんな顔すんのか?
    自分には見せたことのない顔を仙道にむけている花道。
    そんな状況を目の当たりにしたらいてもたってもいられなくなってその辺に自転車を停め2人の元へ急いだ。



    「おい」
    背後から聞こえた声に反射的に顔を向ける花道と仙道。
    「お、ルカワ。おめーこんなところで何してんだ?」
    キョトンとした顔で流川を見る花道と明らかに不機嫌むき出しの仙道。
    ジャマをするなとばかりに圧をかけてくる。
    こんなに感情むき出しの仙道を流川は初めて見た。

    「帰んぞ、どあほう」
    「何言ってんだよ、今センドーと…」
    「うるせー、帰るつったら帰んだよ」
    そいういって花道の腕を掴んで引っ張る。
    「おい、キツネ!はなせ!」
    いきなりのことに驚いて取り乱す花道。
    そんなやりとりを見ていた仙道が
    「花道は今オレとデート中だから割り込まないでもらいたいな」
    花道のもう片方の手を握って落ち着いた口調で、でも怒りを含んだ視線で流川を静止する。
    花道は「デデデデート…?」と仙道に繋がれた手を見ながら首から上を真っ赤にしている。
    「手繋いでんじゃねぇ…離せ」
    「流川が離したら離すけど」
    余裕ぶった笑顔で返す。

    だいたいいつからセンドーは『花道』て名前で呼んでんだよ
    流川のイライラはピークに達した。

    「コイツはオレんだ!」

    思わず口をついて出た言葉。
    花道の動きが止まり、仙道は一瞬驚いた顔をした。
    あぁそうか、今やっとわかった
    なんで毎日こんなにイラついていたのか
    オレはどあほうに惚れてるんだ
    自分の気持ちに気づいてしまえば尚のこと、コイツを他のヤツになんて渡したくない。

    「お、おい…センドー…?ルカワ…??」

    かたや仙道から手を握られて「デート中」と言われ
    かたや流川から腕をつかまれ「オレの」宣言
    状況についていけない花道は仙道と流川を交互に見ながら思考停止中。

    と仙道が
    「ねぇ花道、花道は流川と付き合ってんの?」
    不安そうな顔でわざとらしく花道に聞く。
    『不安な顔』なんて演技だけど
    こんな顔向けたら優しい花道なら悪いようにはしないよね
    「い…や…」
    「じゃぁオレと花道のこととやかく言われる筋合いないよね?」
    「ま、まぁ…ソウ…ダ…ナ…」
    困る花道。
    「付き合っていようがなかろーがかんけーねぇ。どあほうはオレが連れて帰る」
    「花道はイヤだって言ってる」
    「言ってねー。おい、ところでオマエ今日病院だったんだろ?なんで仙道と一緒にいんだよ」
    「センド…」
    「花道の付き添い」
    花道の言葉を遮って「羨ましいだろ」とでも言わんばかりの顔で流川を煽る。
    「日曜に花道に会った時今日病院だって聞いたから。花道のこと心配だし、ちょうど部活休みだから付き添うよって」

    やっぱりこいつら会ってたんだ
    しかもコイツの通院に付き添うなんて
    悔しい!
    オレの方がコイツのこと理解してるし付き合いも長いし近くにいるのに
    なんでオレじゃねぇんだよ

    「ケガの方は良くなってきてるからムリしなければ今よりもうちょい激しい運動しても大丈夫って先生からお墨付きもらったんだよな」
    「おうよ」
    仙道がニコッと花道を見る。
    それにつられて花道の顔も明るくなる。
    「るせー!おめーの説明なんかいらねー。コイツから直接聞く」

    未だ2人に両手を掴まれて身動きの取れない花道
    そしてその花道を挟んでバチバチの2人。
    「帰るぞ」
    「え…ちょっとま…」
    花道を引っ張る流川の腕に力が入る。
    仙道も花道が連れて行かれないように繋いでいる手に力を込める。






    「おい、めずらしー組み合わせだな」

    聞き覚えのある声に振り返るとそこには三井の姿があった。
    「ミッチー!」
    よぉと3人に軽く挨拶をする。
    地獄に仏とはこのこと
    花道が安堵の表情を見せる。
    「外からお前らが見えたからさ。オレも混ぜろい。つーか桜木の腕掴んで何してんだよ」
    不思議そうな顔で三井が流川と仙道に聞く。
    「困ったことにオレとデート中の花道を流川が無理矢理連れ去ろうとするんですよ」
    誘拐でしょ、と苦笑いの仙道。
    「桜木困ってんだろ、2人とも離してやれよ」
    三井にそう言われ渋々2人とも花道から手を離す。
    とはいえ流川は花道から離れる気など一ミリもなく隣に陣取ってくっついている。
    仲が悪いくせに距離が近い花道と流川。
    流川が花道にベッタリくっついても全く気にしない花道を見て仙道は胸を騒つかせた。

    そんな三角関係など全く意に介さず三井が話し始める。
    「なんで仙道がこんなとこいるんだよ?家から遠いだろ?」
    「花道の病院に付き添った帰りっす」
    「付き添ったのお前?」
    「今日部活休みだったんで」
    「お前らそんな仲良かったっけ?」
    「最近毎週会ってますね。この前なんかバスケした後オレんちにそのまま泊まってったし」
    チラッと流川を見て牽制する。
    「てめー仙道んち泊まったのかよ?」
    イラっとしてついキツめに問い詰めた。
    「だからおめーには関係ねえだろうが」
    ブスッとした顔で花道が言い返す。
    その反応に気をよくしたのか仙道の表情が緩む。

    花道と2人きりで夜を過ごしたからといって何かあったわけでもないのだが。
    まぁ花道が寝ている間に気づかれないようほっぺに軽くキスはした、花道には内緒だけど。

    「で三井さんはどうしてこんなとこに?通り道?」
    仙道が聞く。
    「あー、いつも通ってる道が工事中でよ。しょうがなくこっち来たらお前ら見つけた」

    他愛もない話をしていると「そろそろ閉店になりますので…」と店員に声をかけられたので店を出る。
    外に出てもなお花道の両脇には流川と仙道。
    ジリジリと距離を詰めどちらも花道を逃すつもりはないようだ。
    軽いゾーンプレス状態に当の花道もタジタジ。

    「花道送ってくよ」
    仙道が花道の頭を撫でながら優しい顔で花道に声をかける。
    「オレが送る。オレの方が家近ぇ」
    仙道に花道を取られまいと花道の腰をがっちりホールド。
    「ぬ…」
    困り顔の花道。
    流川と仙道から「オレにしろよ」と無言の圧がひしひしと伝わってくる。


    そんな3人を見て
    「わりーなオメーら、こいつちょっと借りてくわ。おら行くぞ桜木。じゃお疲れさん!」
    「お、おうよミッチー…」
    三井にお尻を軽く膝蹴りされつつ、その助け舟のおかげでやっと2人から解放された。
    ホッと胸を撫で下ろしながら三井の隣に並んで家路に着く。

    にしてもさっきのは一体なんだったんだ?
    ルカワもセンドーもワケのわからんことばかり言って全然離してくれねーし
    あの2人確かにバスケでは張り合ってっけど(まぁどっちも最後はオレさまが倒す!)、今日のバチバチはバスケあんまりカンケーなくねぇか?
    グルグルと想いを巡らせていると

    「なぁ、お前仙道と付き合ってんのかよ?」
    三井が聞いた。
    「ミッチーがいう『付き合う』とは『コイビト』かどうかということか?だったらチガウぞ」
    「ふーん…でも仙道の家に泊まったんだろ?」
    「おう、夕ご飯ごちそうになったぞ」
    センドーのご飯うまかったと花道。
    コイツにとってはそんなもんか…仙道はけっこう本気っぽかったけどな
    そんなことを考えていると「ミッチードウシタ?」と花道が不思議そうな顔で見てくる。
    「恋愛シロウトの​お前に​言ってもわかんねーよ」
    アハハと笑う三井。
    「ミ、ミッチー!しつれいだぞ!ミッチーだってたいしてかわらん!」
    ムッとする花道。
    「まぁ…もし何かあったらオレに相談しろよ」


    どういうわけか花道と対戦したバスケットマンの多くが花道に興味を持つ。
    それが流川や仙道みたいに恋愛に傾く場合もあれば、清田や福田みたいにいいライバルであり仲の良い友達になる場合も。
    最近はIHで対戦した山王のメンバーからも気に入られたようで個人的に連絡を取り合っているようだ。
    小さい頃からバスケ三昧の生活を送ってきたヤツらにとってど素人である花道の考え方やスタンスは新鮮なのだろう。
    そこにはもちろん、そいつらを惹きつけるだけの花道のバスケセンスがあってこそなのだが。
    そして忘れてはいけないのがこのコミュ力、誰とでもすぐに打ち解けてしまう。
    人懐っこい大型犬が「あそぼー」とじゃれついてくるような感覚で、懐かれると可愛くてついつい甘やかしたくなってしまう。
    花道は庇護欲を刺激するのがとても上手い。
    本人は狙ってやっているわけではないだろうが。
    だからなんでもしてあげたくなってしまうのはしょうがないことなのかもしれない。
    現に海南の牧がたまたま会っただけの花道を名古屋まで連れていったこともあったくらいだ。

    「おう!ありがとなミッチー」
    花道が屈託のない笑顔を見せる。
    こうやって素直に感謝を述べられるのも花道のいいところ。

    くっそ可愛いな、人の気も知らないで

    「おまえそういうところだぞ」
    「?」
    自分の魅力に全く気付いていない花道に大きなため息をつく。
    そう、かくいうオレも桜木に惹かれているバスケットマンの1人なわけで。
    仙道や流川になんて負けてらんねー。
    「ミッチーなんだそのため息はっ!」
    「なんでもねーよ!」
    ワーワー言いながらじゃれついてくる花道の頭をワシャワシャと撫でて
    「オラ、家まで送ってってやるよ。肉まん買ってやる」
    「おぉ、さすがはミッチー!」

    ほら
    またこうやって桜木を甘やかしてしまうオレも大概なもんだ。





    かたやこちらは三井に花道をかっさらわれた流川と仙道。
    なんとなく気まづく虚しい空気に包まれてしまった。
    「おまえのせいで三井さんに花道奪われた」
    はぁと大きなため息をつく仙道。
    「今日こそは花道の家に泊まろうって思ってたのに」
    「そんなことさせるか」
    「この際ハッキリ言っておくけど、オレは花道が好きだし諦める気もさらさらないから。絶対オレのものにする」
    「るせー、アイツは誰にも渡さねぇ。よく覚えとけ」
    「そもそも花道はお前のものじゃないだろ」
    「すぐにオレのものになる」

    流川とはバスケでも恋愛でもバチバチってわけか。
    面白くなってきたな
    バスケも負けないし、もちろん花道だって渡さない。

    「あ、そうだ流川。三井さんに『花道に手出さないでくださいよ』てオレからの伝言伝えておいて」
    「?」
    何言ってんだって顔で仙道を見る。
    「気づかなかった?多分三井さんも花道狙ってると思うよ。あーゆうタイプの人って無害ですって顔でいつの間にか自分のもんにしちゃてるから、今日みたいに」
    うーん、ちょっと心配と仙道。

    三井センパイが?
    まさか

    「ああ見えて花道モテるからオレもお前もよそ見してる暇なんてないぞ」
    じゃぁなと仙道は人混みに消えていった。



    なんだよそれ
    仙道とはともかく三井センパイがアイツのこと狙ってるとか

    言われてみれば思い当たる節がないわけではない。
    元々三井と宮城、それに花道は控えめに見ても仲がいいしよくつるんでいる。
    そしてよくよく思い出してみると三井も宮城も花道に対してボディータッチが多いような気がする。
    てことは三井センパイだけじゃなく鬼キャップもどあほうのこと狙ってるってことか!?

    ならやってやろーじゃねーか!
    絶対アイツはオレのものにする
    仙道にもセンパイたちにも渡さねー

    とりあえず明日三井と宮城に事の真相を確認して見ようと思う流川なのであった。
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