変わらない心を君に「ねぇ、ミスタ。ミスタが好きな季節っていつ?」
シュウはネイルポリッシュに淀む紫に目をやりながらミスタに話しかけた。
「え、季節?」
ミスタは昨年を頭に浮かべる。夏は死ぬほど暑かった。なんてったって40℃を超える気温を観測したのだ。あんな夏はもう勘弁してほしい。冬は?ミスタは寒いのが苦手だった。マイナスまでは行かないものの朝ベットから出るには酷な気温。好きとは思えない。
「んーーーーーーー…」
ミスタは悩んでいた。秋か春か。どちらも活動するには丁度よい気温だ。目立つイベントも特にない。もうどっちも同じなのでは???と思考を巡らす中ふと終着点が見えた。
「オレ春が好き、かも。」
「春?どうして?」
シュウは既に左手の爪を鮮やかに彩らせ右手に取り掛かろうとしていた。
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