弱ってるの、に弱いナポレオン・ボナパルト。人々の期待に応え続ける男。不可能知らずの大英雄。
が、鬱になった。
「「なんで!!??」」マスターとデオン
自室の布団から出られなくなってしまったナポを、デオがぽふぽふと優しく叩きながら独白する。「君に、沢山のものを背負わせてしまっていたね」
「でもそうだな。君は期待に応えてくれると、勝手にそう思っていたのはこちら側のエゴだ」
「落ち込むのが君らしくない、なんて。なんて押し付けがましいエゴだろうか」
「……君に好きでいてほしいのに。ダメだなオレは……」
「そんなことはない。私はちゃんと好きだよ。逞しくて自信に溢れている君のことも、こうやってたまに凹んでしまう君のこともね」
「……そんなストレートな言葉、君こそらしくない」
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