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    きくのた

    @TAGEBUCH1192

    現パiロ kkt夢中心 golden kamuy

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    きくのた

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    kktさんとベランダで語る夜
    ※kktと夢主が同じ会社
    ※なんでもありな人向け

     冬のある日。
     職場の仲間たちと、菊田さんの家で飲むことに。
     初の飲み会が上司の家って大丈夫かな…と不安と緊張、そして少しの期待に手を強張らせる。

     菊田さんはよく家に人を呼んでいるらしい。と言っても、大人数でパーティーという類ではなく、気心の知れた人を二三人、多くても四五人呼びお酒を飲むのだそうだ。

     今日は五人。うち、私以外は以前も菊田さんの家に招かれたことがあるという。私は転職してきたばかりで当然菊田宅にあがるのは初めてだが、菊田さんとは直属の上司ということもあり、よく話していた。
     いつもの通り、何気なく話していたら菊田さんから今度うちで飲み会やるから来ないか、と誘われた次第だ。

     「じゃあ、○○さん初参加ということで、いらっしゃい!」
    乾杯!と菊田さんのコールで飲み会が始まった。
     皆慣れた様子で寛ぎ、愚痴やら冗談やらで場は盛り上がっていった。食卓には買ってきた惣菜と菊田さんお手製のつまみがいくつか並んでいる。
     私ははじめ緊張であまり料理に手を付けられなかったが、同僚たちの愉しげな様子にほっとし、いつの間にかお酒も進んだ。

     夜11時。皆酒が回り、食事もほとんど無くなっていた。
     片付けをしなくては。そう思い席を立つと、ふと菊田さんの姿がないことに気づいた。
     振り返ると、ベランダのカーテンが少し開いていた。

     「菊田さん?」
     ベランダの窓から顔を出すと、そこには一人グラスを片手に立つ菊田さんがいた。暖かそうなパーカーを着て景色を眺める菊田さんの髪は、夜の寒風になびいていた。
     「おう、○○さんか。どうした?」
     菊田さんは不意をつかれ驚いたのか、少しのけぞりながらこちらを見た。
     「いえ、もう夜遅いので片付けをしたほうが良いかと思い…」
     「いいんだよ、今日はあいつらうちで雑魚寝するつもりでいるんだろ」
     まぁ、前からそんな調子だから、と菊田さんは笑う。
     「○○さんは終電もあるだろうし頃合い見て帰って大丈夫だから、片付けは俺がやっとく」
     菊田さんはそう言ってグラスを傾ける。しかし、さすがに散らかしっぱなしで去るのは申し訳ない。
     「でも、私の分だけでも片付けておきます」
     「いいのいいの、それより寒くない?」
     「ええ、ちょっと…何か羽織ってきます」
     私は部屋に戻り、コートを肩に掛け、自分のグラスを手に取った。
     「あの、お邪魔でなければ私もベランダ出ていいですか?」
     「もちろん、ちょっと待てよ」
     そう言って菊田さんは棚のサンダルを出し、軽くほこりを払って私の足元に置いた。
     ありがとうございます、と私は大きなサンダルを履いてベランダに出た。冷え切った空気に酔いが醒める。
     「あいつら、やってっか?」
     菊田さんが冊に肩肘を置き、私の方を向いた。いつも整えている前髪が乱れ、左目に掛かっている。
     「ええ、みんな楽しそうで私もちょっと安心してます」
     普段と違う菊田さんの様子に鼓動が速くなりながらも、そう答えた。
     「じゃあ何よりだ」
     菊田さんは目尻にしわを寄せ、笑った。
     「あの、何時ころからここに?気づいたら部屋にいらっしゃらなかったので…」
     「さぁ、何時だったかな…あんまり部下たちの会話を邪魔しちゃ悪いしな」
     グイッとグラスの酒をあおり、カラカラと氷を回してそう答えた菊田さんの様子は何処か寂し気だった。
     何かまずいことを聞いたような気がして、私は他に出来る話を頭の中で探った。しかし、なかなか思いつかず、苦し紛れに菊田さんの飲んでいる酒について聞いてみた。
     「これか?」
     まずい、やはり話を逸した感じが出てしまったか、と反省していると、突然目の前にグラスが突き出された。
     「気になるなら一口飲んでみるか?」
     にやりと菊田さんはこちらを見る。私は自分の頬が紅潮するのを感じた。
     「い、いいんですか?」
     ダメだったら勧めねぇよ、と言い菊田さんはグラスを手渡す。彼の手の温もりが移ったグラスを受け取り、私は恐る恐る口にした。

     それは、初めての味だった。ウイスキーであることはすぐに分かった。だが、今まで飲んだことのあるウイスキーとは異なり、カラメルのようなほろ苦く、それでいて甘く、燻製のような香りな鼻を抜ける、まろやかな味だった。

     「どう?お口に合ったかな」
     菊田さんが私の顔を覗き込んだ。
     「ええ、とても美味しくて、何と言うか…初めての味です」
     そう言うと、菊田さんは目を輝かせた。
     「分かった?これ、俺がブレンドしたの。菊田ブレンド」
     なんつって、と笑う菊田さん。
     「なら、菊田さんの味ってことですね」
     「何それ、俺のこと食べたみたいに言うなよ」
     ハハハ、と高笑いして菊田さんはベランダの冊に寄りかかった。
     「なあさっき、俺がいつからベランダにいたのか聞いただろ。」
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